俺の名前は師範じゃない。【鬼滅の刃】

拾弐 ページ13

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日輪刀を持って外に出る。









よく2人で遊んだ道を歩きながら、朝日の事に想いを馳せる。









彼は物凄く優しい青年だった。いつだって私の相手をしてくれて、私が泣いた日には『泣かせた奴はどこのどいつだ！！』って怒って家から出て行こうとするのを止めたことがあったっけ









そんな彼のことがわたしは大好きだった









だから今日だって朝日に会えるのが楽しみで堪らなかったんだ









『あーさひー？何処居るの』









勝手な想像だけど、彼は多分生きていると思う。









どんな形であれ。









その日は結局朝日を見つけるどころか情報さえも得られず、おばさんに2カ月後にまた来ると伝えて鈴鳴家を出た。









鈴鳴家を出て直ぐ見える我が家だった場所。









静かに手を合わせてその場を去った。









次に来るときには隊服で来よう、何か嫌な予感がするしそれにお母さんやお兄ちゃん、お父さんにも見せたいなぁ、なんて。









父は何の呼吸の使い手だったかな、と考えながら汽車に揺られ1時間。









辺りはもう真っ暗で、まさに鬼が出そうだ









さっさと帰って暖かい布団で寝たい、









………あ、作り置きのとろろ昆布もう無いや









師範に怒られることが確定したので一気に家に帰りたくなくなった、何処かで野宿でもしようかと屋敷と正反対の方を向くと、後ろから誰かに肩を掴まれる









「お嬢ちゃん可愛いねぇ？うちにこないかい」









声を掛ける相手を間違えすぎてて逆に哀れになってくるね、あは









『申し訳ないけど他を当たってくれますでしょうか？』









振り向き様に刀を抜いて、その首を斬る。









かなり至近距離で首を斬ってしまったので返り血が顔やら着物やらに付いてしまった、師範に怒られる要素が揃いすぎててますます帰りたくない









くそう、師範に買って貰った着物だったのに









結局何も言わないで帰らないのが一番怒られるなと我ながら頭の良い判断をして回れ右をした。









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