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*122* 幸せに ページ42

『……なんだか懐かしいな』





お墓参りから少し経ち、私はくるりと回ってそう呟いた。





「何がだ?」





そんな私に匡は聞いた。





『心が温かいって感じること』





私が答えると、匡は不思議そうな目で私を見た。





『里にいた時はさ、父上も母上も……里のみんなが優しくて、あったかかったんだ』





私はそこまで言って一度息を吐く。





『でもさ、あの世界は……未来では。

戦なんてない平和な国ではあったけど、つまらなかったんだ。

両親であったはずの人は海外に行っていたし、友達もいたけど……それは本当の意味での友達じゃなかった。

どこか信頼できなくて……。

つまらなかったし、心が寂しかった』





こんな話されても困るよね、なんて私が笑うと、匡は私を抱き寄せた。





『匡……?』



「ンな無理して笑おうとすんじゃねェ。

……オレ様がいるだろうが」





匡はそう言って私の顔を自身の胸元に押し付ける。





『うん、匡と出会ってからはとても温かい気持ちになったよ』





新選組のみんなが出払っていて、貴方が膝枕してくれたあの時から。





『匡、これからも私と一緒に居てくれる?』





顔をあげ、匡に問う。




「……当たり前だ。

オレの里で祝言を挙げようぜ、A」



『……はい』





匡の言ってくれた言葉が嬉しくて、私は涙を流した。





「泣くんじゃねェよ」





匡はそう言って笑いながら、私の涙を拭ってくれた。





「幸せにしてやるから……」





匡はそう言って私の唇にキスを落とした。

*123* 祝言→←*121* 日向の里



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設定タグ:薄桜鬼 , 不知火 , ぜにがめ   
作品ジャンル:アニメ
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白黒の舞姫 - すっごく面白かったですこれからも頑張って下さい応援しています。 (2016年9月21日 16時) (レス) id: 906067274c (このIDを非表示/違反報告)
千弘(プロフ) - 壱からすべて見ました!!HAPPYENDになってくれて、子供もできて…本当に私も幸せな気分を味わうことができました。この作品は最高です。どうか、これからもがんばってください。 (2015年12月20日 3時) (レス) id: 5aeac5c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがめ(プロフ) - LOVEさん» ありがとうございます! そう言ってもらえると嬉しいです((o(*>ω<*)o)) これからもよろしくお願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ (2015年3月19日 9時) (レス) id: fbdd8674d6 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした!ぜにがめさんの文章は読みやすくて、わかりやすかったです♪今後の作品も楽しみにしています! (2015年3月18日 19時) (レス) id: d1fe97b2a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがめ(プロフ) - 闇姫さん» ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) これからもよろしくお願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ (2015年3月18日 11時) (レス) id: fbdd8674d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぜにがめ | 作成日時:2014年12月13日 1時

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