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*81* 空き地 ページ1

奏side──





両親に捨てられて5年くらい経った。



さみしいとは思っていない。





「ねぇ奏ー、ヒマだね〜」





この子……流架がいるから。



流架も特殊な能力を持っているらしくて、親に捨てられたらしい。





「そうね、今日はどこに行こうか?」





流架と出会ってから私達は旅人としてこの国の各地を旅している。





「歩くのも疲れたしそこの空き地で休もうよ〜」





流架が疲れたように指をさした先には、さびれた空き地があった。





「ここのところ歩きっぱなしだったしね。

屋根もあるし、今日はここで休もうか」





私は流架の意見に賛成し、二人で空き地に足を踏み入れた。



屋根の下にわらを敷き、そこに私達は腰をおろした。



よっぽど疲れていたのか、流架は腰をおろしてすぐに眠りについた。



私は羽織っていた上着を流架にかけてあげて、優しく流架の頭を撫でた。



特殊な能力を持っていても所詮は子供。



体力に限界がある。



それを知りながらも旅を続けるのは、私達の居場所を見つけるためなのだった。





「……さて、私も寝ておこうかな」





私は流架の頭に手を置いて、自分も少し身体を休めようと思い目をつむった。









「〜〜っ!」



「〜〜!」





目を閉じて数時間が経った頃だろうか、何やら周りがうるさくなった。



目を開けると、私たちの前には私たちと同じくらいの年の男の子が数人立っていた。





「おい!お前らなんでこんなとこにいんだよ!」





ここは俺たちの土地だぞ、とでも言うように男の子は言った。





「私達は旅をしていて、ここで少し休ませてもらっていたの」



「ここはどう見たって空き地だろ?

君たちの土地じゃない」





いつの間に起きたのか、流架が眠そうに目をこすりながらそう言った。





「……っ。

うるせぇ!ここは俺たちの縄張りだ!出ていけ!」





男の子達は私たちに向かって小石を投げてきた。



流架に当たらないように前に出て、小石が私に命中する。



黙って耐えていた、その時。





「おい、何してんだよ」

*82* 涼→



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設定タグ:薄桜鬼 , 不知火 , ぜにがめ   
作品ジャンル:アニメ
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白黒の舞姫 - すっごく面白かったですこれからも頑張って下さい応援しています。 (2016年9月21日 16時) (レス) id: 906067274c (このIDを非表示/違反報告)
千弘(プロフ) - 壱からすべて見ました!!HAPPYENDになってくれて、子供もできて…本当に私も幸せな気分を味わうことができました。この作品は最高です。どうか、これからもがんばってください。 (2015年12月20日 3時) (レス) id: 5aeac5c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがめ(プロフ) - LOVEさん» ありがとうございます! そう言ってもらえると嬉しいです((o(*>ω<*)o)) これからもよろしくお願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ (2015年3月19日 9時) (レス) id: fbdd8674d6 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 完結おめでとうございます、そしてお疲れ様でした!ぜにがめさんの文章は読みやすくて、わかりやすかったです♪今後の作品も楽しみにしています! (2015年3月18日 19時) (レス) id: d1fe97b2a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぜにがめ(プロフ) - 闇姫さん» ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o))) これからもよろしくお願いします((。´・ω・)。´_ _))ペコリ (2015年3月18日 11時) (レス) id: fbdd8674d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぜにがめ | 作成日時:2014年12月13日 1時

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