72*試合も観戦します ページ25
Aside
右に瀬見さん、左に牛島さん。
前には天童さん。勿論大平さんや山形さんもいる訳で。
二日目を勝ち、魔の3日目と言われる本日は２戦するらしく…
一戦目を勝ち、見ているだけで疲れそうなのをもう1戦…
｢Aちゃんはージャンプ読んでる？
最近寮で読む人減ってきてさー｣
｢私も今は読んでないです。
兄が実家に居た頃は買ってて読んでました。｣
｢へぇー！
お兄ちゃんめっちゃめちゃ女顔だよねー｣
｢中身は荒いですよ｣
賢二郎達は他校の試合を観戦でこちらは稲荷崎の試合を観ていた。
観ていたと言うより二人に置いて行かれ、あまつさえ｢稲荷崎にストーカーされてるんで見てて下さい｣と賢二郎が言ったようで。
ストーカーと言うか…ストーカーでは無い気がするけど、賢二郎が心配してるなら素直に従ってこの席に居る。
体育館でいちゃつく気なんて無いし、賢二郎が隣にいたらくっつきたくなっちゃうし。
｢A、これ食べる？｣
｢食べたいです。ありがとうございます、大平さん！｣
｢これもうまいぞ！｣
山形さんからもお菓子を受け取り…何だか3年生の皆さんにはおじいちゃん繋がりもあるけど凄く良くしてもらっている。
普段の皆さんは親切で優しくて面白くて。
改めて見せられた試合は勇ましく猛々しく、格好良い。
｢…｣
大会のパンフレットを見ながら試合に出ている人の背番号で確認中。
侑さんがセッターで賢二郎と同じ。
これまでよく目にしたセッターとしての賢二郎は堅実な配球役と言う印象。
…徹先輩の試合もよく観に行っていたし、彼も挑発的だけどチームの枠組みの中に居て組み立てた試合をしていた、気がする。
バレーの事はよくわからないけど。
侑さんは遊んでる…って言うのとは少し違うけど、楽しそう。
｢Cコートの試合が終わりました。結果は〇〇県のストレート勝ちです。｣
｢そうか。こちらは稲荷崎が勝つだろう。｣
戻って来た賢二郎の手が一度頭に乗り、後ろの席に太一と五色君と腰を下ろした。
あちらからしたら何気ないのだろうけど、それだけで嬉しくなるから重症で…
｢Aちゃんってほんとーに賢二郎のこと大好きだよね〜｣
｢なんで見てるんですか！もう…！｣
前の席の天童さんがニヤニヤと目を細めて笑ってるし！
ごめんねーと飴玉を２個くれたから、１個を口に含み、もう１個を賢二郎にあげた。
｢やっぱり勝ったのは稲荷崎か。
まだ次の試合まで時間あるから売店でも行ってみるか？｣
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年4月10日 21時
