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真意ばかりが言葉にのらない[夜久] ページ18





 「夜久くんってさあ、小さいよね」


 その言葉に、夜久本人よりも夜久と一緒にいた黒尾が驚いてそちらを向いた。

当の言われた本人、夜久は物凄い形相で相手を見ている。

黒尾ならまず間違いなく蹴りが飛んでくるような場面ではあるが、その相手は女子だった。

 悪びれもせずそこにいる女子は黒尾と夜久と同じクラスの高峰で、オマケに黒尾とも夜久とも同じクラスというだけで関係は希薄だ。

にも関わらず、突然呼び止めたかと思えば「夜久くんって小さいよね」発言である。何よりも


「俺より小さい奴に言われたくねえ!!」

「まあ私の方が小さいんだけどさ」


 どう見ても高峰は150センチ台前半と言ったところで、格別背が低いという訳では無いにしても、勿論黒尾よりも、そして夜久よりも背は低かった。

 夜久は女子相手だと言うのにこめかみを引き攣らせて高峰と対峙した。

夜久を見上げるように立っている高峰はにっこりと笑ってそこにいる。


「黒尾くんと並んでると特に際立つ」

「はァ!?」

「でもコートの中では大きく見えるね」

「ハッ……ハァッ?」


 それじゃあね! と言って背を向けて行った高峰を夜久は呆然と見送った。

その隣の黒尾もポカンとしていたがやがてげらげら笑い始める。


「なに、何なのアレ! 夜久お前褒められてんの? 貶されてんの? ぶひゃひゃひゃ!!」

「テメーは笑いすぎだよ!!」


 小さく遠ざかっていく高峰の背中を夜久は見て、ふんと鼻を鳴らした。

黒尾は依然として爆笑したままである。

腹立たしいことこの上ない、夜久は今度こそ容赦なく黒尾に蹴りを叩き込んだ。


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設定タグ:ハイキュー , 短編集 , 桔梗   
作品ジャンル:恋愛
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つばき - 川西のお話、鳥肌が立ちました。陰のある恋をしてほしいっていうの、同意します…! (2021年2月14日 10時) (レス) id: f1e42d3762 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - リムさん» ありがとうございます! 頑張ります (2019年12月30日 22時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
リム - 赤葦の物語とっても切なくて涙が止まりません・・・泣  これからも頑張ってください! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 7cc2098249 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 天祢さん» そう言っていただけてうれしいです!個人的にも川西くんのお話が好きなので、刺さってくださる方がいて良かったなあと思います。更新を楽しみにして頂けるとうれしいです。コメントありがとうございました! (2019年12月14日 15時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
天祢 - 読ませていただきました!勿論全部のお話が素晴らしかったのですが、元々最推しなのもあって川西くんのお話が特に良かったです。深いなぁ…と思いました。更新頑張って下さい!楽しみにしています(^-^) (2019年12月13日 21時) (レス) id: dfbff6b887 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桔梗 | 作成日時:2019年11月16日 13時

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