潮騒～Sound of Waves～ 2 (ページ23)

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「…なんか、ごめん」

櫻井さんが私と智を見て申し訳なさそうに言うから、私は肘で智を思い切り突いた。

「うっっ」

そしたらそれがちょうどみぞおちにヒットしたらしくて、智は両手でそこを押さえて屈み込む。

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ほんとにいちいち大袈裟なんだから！！

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「な、なんで謝るんですか！！どうぞ中へ入って下さい！！」

「…じゃあ、お邪魔しまーす…」

櫻井さんはにのくんの顔をチラリと見てこっちにやって来る。

にのくんも櫻井さんの後に続いて歩いてきたけど、私はにのくんの顔が見られなくて。

大げさにまだ蹲ったままの智を放置して、私は顔を伏せて二人の横をすり抜け、そこから逃げ出すようにしてバーベキューハウスを飛び出した。

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メ「その状況だったら、私ならイチャイチャしてたのかなって思うかなぁ」

「うそぉ…やだよーーー」

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とにかく気まずくて、私はあの後、櫻井さんとにのくんに近付かないようにして食材の準備を終えて。

バーベキューが始まってみんなが賑やかにコンロの周りに集まる中、

私はメイちゃんと二人、隅の方でさっきの状況を説明しながら焼けたお肉を頬張っていた。

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「だって、いくら幼馴染みだからって二人で日焼け止め塗り合いするなんてヘンだもん」

「塗り合いじゃないってば！！一方的に塗ってもらってただけ！！」

「だとしても大野さんの手がAちゃんの服の中に入ってたのも見られてたら…何やってるんだろうって思うよね」

「いつからいたのかはわかんないんだけど…櫻井さんがごめんって」

「ほらぁ」

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あああああああああああ。最悪。

にのくんに変に誤解されたくない！！

だからって今のは何でもありません、ただ日焼け止めを塗ってもらってただけなのって言い訳するのもおかしいし。

大体私はにのくんにとってはただの後輩なんだから、いちいち言い訳なんてしたところでにのくんからすればどうでもいいことだろうし。

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でもでもにのくんには、私が智のことを好きだって思われたくない。

好きな人に、他の人が好きだっていう誤解だけはされたくない。

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落ち込んでいてもモリモリとたくさんお肉も野菜も食べてたら、メイちゃんに笑われた。

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そしてバーベキューが終わって、後片付け担当のメイちゃんを待っている間にトイレに行って戻る途中。

四、五人の男の子がバーベキューハウスの裏に入って行くのが見えた。