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「では次は組織内ですね。首領に異能力がある事は周知の事実ですが、一体どんな能力なのか。
それは五大幹部と私、そして首領本人のみです。
矢張り異能力がどのような物かわからなければ暗殺を企てることは出来ません。

そうなるとどんどん絞れてきます。」

「これはすごいねえ。その後はどうしたんだい?」

「五大幹部、及び私は貴方に絶対の忠誠を誓っております。
よっぽどの利益が無くては暗殺なんてしません。

となると、この時期にどんどん力をつけて、次期首領になったとしてもおかしくない人物が暗殺を企んだと言えるでしょう。」

「それは一体誰だったんだい?」


「…………私です。」

「ほう……」

その言葉と同時に首領からは膨大な料の殺気が出て、私の首元へ向けられた。
殺気というのは、十分凶器になりうるものだし、首領の殺気の膨大な料なんて一般人など泡を吹いて心臓が縮まってしまう。

「話は最後まで聞きましょう。首領。」

「もちろんそのつもりだよ。続けてくれないかい?」

「ですが私は貴方を殺そうだなんて一度も考えた事はございません。
ではなぜこのタイミングで貴方は私が暗殺を企てていると言うのでしょうか。」

「この期に及んで弁解をする気かい?」

「違います。私は弁解、言い訳ではなく事実です。

貴方はよく私にこうおっしゃいます。可愛い子には旅をさせよと。

今度もそうなんじゃないですか?」

「なんのことかな?」

「私はこの間、十六になりました。もう結婚だって出来る年齢です。

私は少しずつ大人になっていきます。

貴方は、私に選択を迫っているのではないですか?

本来ならば首領の命を狙っている者がいるだなんて五大幹部会を開き、各構成員に伝え、うつけ者を炙り出す。
合理的な対応を求めるあなたならばそうするでしょう。

ですが貴方は私だけに言った。それは」
「そうだよ。

Aちゃんの事は、本当の娘みたいに思っている。

先代の頃の話だからといって、君のご両親を殺してしまったことは本当に申し訳なく思っている。

だが、こちらにも理由があったんだよ」

「私の両親を殺した理由…??」

「Aちゃんのお父上は異能特務化のマフィアへのエージェントだったんだ。
でもそれがバレて殺された。

先代はそういうひとだったんだよ。」

「だから種田長官は私の事を……!」

「可愛い子には旅をさせよ。君を光の世界に送り出す良い機会だと思ってね。」

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作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2019年12月31日 23時

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