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『それではイゾウ、またいずれ……それとあっしの三味線を……あっしの代わりに連れておくんなんし』
「ならお前にはこいつを預ける……扇子を開く度に俺を思ってくれ」
『はいな、お前さんの命の紙が動きし方に向かって舞を嗜みんしょう……道中どうかお気を付けて』
「お前さんも達者でな、A」
別れの抱擁を熱く交わし、先に動き出す船の上から手を振る見慣れた顔ぶれに涙を堪えて笑みを向ける
そう、これは今生の別れではありんせん……門出に花のひとつも手向けなければ……
『おでん様、抜刀の許可を頂きたく……』
「お！あれをやる気だな！」
「何だ何だ？」
『赤と青の童は見たことがありんしょう、あっしの刀は花弁を纏う……』
キンッ！
『花の一刀流“満開･桜小路”！！』
ブワァアアッ……ハラハラハラッ……！！
「すっげぇー！！空に放った斬撃が花びらを散らしてる！！」
「派手に前に見たのと違ぇよ！！ド派手だぜぇー！！」
「さしずめ“桜吹雪”と言ったところか？実に見事だ……あの島の桜を思い出さないか？ロジャー」
「ははっ！お前と同じ事考えてた！！ほぉらノイル！！花びらの雨だぞぉー！！」
「わぁー！！きれーい！！お花の雨ー！！」
べべん！べんべんべん！
『……クスッ……イゾウの弾く“花月見”……実に見事でございんす』
あっしが花弁を降らせるとイゾウの三味線が耳に響く
いい音聴きゃあ舞手は勝手に足が動く……いつかのイゾウの言葉の通り、あっしは自然と扇子を広げ、その手足は音に合わせてスルスルと流れ出した
「Aの舞は久しぶりだな！」
「そう言われれば……モモの助にもいつも教えてくれるのは三味線だったわね、舞はイゾウくんが教えてくれていたから」
「ガキの頃は2人でよく舞を披露していたものだ！イゾウには菊之丞という弟が居てな、そいつが弾いてたんだ！まぁ菊に三味線を指南していたのもAだがな」
「「すげぇ……」」
「わぁ……絵本に出てた妖精のお姫様みたい……きれい……」
べべべん……！！
『……おあとがよろしいようで……こちら手前の挨拶代わりとさせて頂きんす、これより何卒お頼み申します……ロジャー殿』
「おうよ！俺のわがままに付き合わせちまうが、国に居たんじゃ見れねぇ面白ぇもんを見せてやる！！」
(……お姉ちゃん、お名前は？)
(Aと申しんす、ノイルのお嬢)
(お嬢って？)
(敬うお人の娘さんを呼ぶ時に使いんす)
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竜胆 - しゃらん。さん» どもー！イゾウ落ちの小説も良いですね！ww 夢主が金平糖好きって…また可愛いww (2023年2月4日 10時) (
レス) id: 32faf97f7c (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - 西鶴.藍琉@FFX.Loveさん» わぁー！コメありがとうございます✨️あの人が落とされない日が来るのでしょうか( ˙-˙)笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴.藍琉@FFX.Love(プロフ) - 藍琉です〜。いやもう月乃兎太夫（主ちゃん）の相変わらずの花詠みの上げて落とすが最高です🤣 (2023年2月1日 13時) (レス) @page11 id: 8974fd4ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2023年1月28日 15時
