【カゲプロ】おしまいだぜ！【ヒビヤ】

第四十七話 ページ8

ヒビヤside


ただその光景を眺めることしかできなかった。

体が解放されて、突っ立っていた。

Aの目は赤くて、月光に照らされた黒髪が銀色に光る。

気付けばAの周りにスーツの男達が倒れてて、

Aは白衣の男に、先ほどそいつが持ってた銃を突きつけていた。

『皆はどこ』

いつもみたいに優しい声じゃなくて

まるで別人みたいに低い声だった。

「A……」

白衣の男はあっさり居場所を吐いて、

それを聞いたAの目は元に戻った。

Aがそいつから銃を降ろすとそいつは一目散に逃げ出した。

『……あーあ』



＿＿またやっちゃった。



思えば思うほど“アノ日”のAに重なる。

月を見上げるAは残酷だけど純粋に綺麗だと思った。

そして普通にこっちをみて笑う。

『皆を迎えに行こう』


＿＿＿＿＿＿アノ日みたいだね



　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　

　

　
　
　
　
　
「五十嵐A……」

報告書をぐしゃりと握りつぶす。
　
不愉快だ。

彼の家族であること自体が気に食わない。

何より、


＿＿＿今でも彼の中にいることが。
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
「翼の大切な人だろうと邪魔者は排除する」

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