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第四十五話 ページ6

ヒビヤside


自分が泣いていると自覚するのには充分だった。

正面に座るAが、微笑んだ。

『私は、前のことは知らないけど、
ヒビヤ君は気にしなくていいんだよ?』
「でも…」
『過ぎちゃった事は仕方ないよ。
過去を変えられるなら苦労しないしね』

肩を竦めるAは少し寂しそうに笑う。

『過去があってこそ現在(いま)があるの。
私、今すっごく幸せだよ』
「……A」

Aは、吹っ切れたようにそう言った。

また視界が歪んでくる。

『ヒビヤ君は泣き虫だね』

ゆっくり手を伸ばしてくるAが、

涙を拭ってくれる。

そのまま、ふわりと抱き寄せられた。

『ないてもいいよ』

その言葉が引き金になったように、

また涙が溢れ出す。

しばらく泣いていたら、何故か疲れて眠くなった。

____________________

Aside


『泣き疲れちゃったよね……』

ヒビヤ君の髪を撫でる。

モモちゃんとミサキちゃんはどこにいるんだろうか。

観覧車から出たら電話してみよう。

外を眺めていると、結構高かった。

街の光がとても綺麗。

初めてみる景色なのに、

どこかで見たことがあるような気がした。

気のせいかな…。

突然頭が痛んだ。

何でか、寂しいという気持ちと、

どこかの屋上に立っている自分を見た。

そして、そのまま振り返り、

携帯を手すりに置いて、微笑んだ。

それから___落ちていく。

『……!』

なにこれ。

嘘だ、絶対に嘘だ。

頭を抱えた。

きっと、今のはただの想像。

嫌だなぁ、私ってばなんて想像を……。

すると観覧車の扉が開いた。

ヒビヤ君を抱えて急いで飛び出す。

『モモちゃんに電話……』

電話をかけると、先にアジトへ

帰ってしまったみたいだ。

キドさんに呼ばれたみたいで、

私達に電話したけど繋がらなかったみたい。

携帯をしまうと出口へと歩き出した。

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エルフィール - 夢主さん……かっこいいです!とっても続きが気になりますっ! (2015年8月27日 21時) (レス) id: dd20ee8f18 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - ヒビヤ天使!天使天使天使天使天使天使((殴グホ! (2015年6月30日 16時) (レス) id: 351622247d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - おいメグミ!!イラスト集のパス変えたりしたのか!? ちょっ…入れないんだが!! おい、このコメ見たらひこメカ関連のとこに一度は顔出せ!! (←見たらこのコメ消していい) (2015年2月19日 8時) (レス) id: 1de8d2a034 (このIDを非表示/違反報告)
ネオン(プロフ) - うっほぉwwwwとりまやばたぁんwwwww((殴 うぐぅっ (2015年1月17日 12時) (レス) id: 962937abfa (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - 相変わらずヒビヤが好きなのなw (2015年1月6日 23時) (レス) id: 23c0d5a001 (このIDを非表示/違反報告)

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作者ホームページ:   作成日時:2014年4月20日 23時

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