【カゲプロ】おしまいだぜ！【ヒビヤ】

第六十六話 ページ27

目が霞む。




ぼやけてるけど、みんなが私の顔を覗き込んで何かを叫んでるのはわかる。




でも何も聞こえない。







ねえ、何を言ってるの？






どうして泣いてるの？






もう、なんでもいいや。





私、すごく疲れてるんだ。






ちょっとだけ眠らせて。









「Aは将来誰と結婚するの？」
『えー、わかんないよ』
「ぼ、僕が結婚してあげてもいいけど」
『じゃあ、ヒビヤと結婚しようかな』


私が小学校の高学年で、ヒビヤが低学年くらいのとき、そんな会話をしたのを覚えてる。

顔を真っ赤にしてるヒビヤを見てるのが楽しかった。

今覚えば、あの頃が一番綺麗な時間だったのに私は、


『dead or killer』


罪には罰がいるってわかってた。

サイコパスだって言われても仕方ない。

でも、この想いは嘘じゃないって、そう思ってる。


「なら、行ってこい。小娘。時間はないぞ」


突然声が聞こえた。

背中を押されたみたいに体がぐらりと揺れる。

目を明ければ、みんなの泣きそうな顔が視界に映った。

第六十七話→←第六十五話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す