第五十二話 ページ13
そして、放課後。
準備をしているとAに教室の扉で呼ばれた。
『ミサキー!行こうっ』
「うん」
教室から出ると廊下にはAと、
翼がいた。
やっぱり双子なだけあってかなり似てる。
それに二人とも美形だ。
「えっと…翼です」
噂通りの男の子だ。
敬語を使うあたり人見知りなのだろう。
「ミサキです、よろしく」
笑顔を浮かべると翼はホッとしたような
吐息をはいた。
『ね、ねぇ…』
Aが顔を少し赤らめながら
お腹を押さえていた。
『お腹空いちゃった』
「……そういえばお昼食べてなかったね」
「え!?」
私の言葉に翼が目を丸くした。
すると、予想していた通り__。
『あのねっ、駅前に新しいラーメン屋さんが…』
そこから止まることを知らないのか、
必死に駅前のラーメン屋の事を話していた。
食べに行きたいのか。
私もあまり家には帰りたくないし
別に構わないけど……。
『という訳で…行こう!』
キラン!と効果音が付きそうなほど
目を輝かせるAに翼とため息をついた。
*****************
目の前に置かれているラーメンの味は醤油で、
割り箸を二つに割った。
『あちっ』
「冷ましてから食べなよ…」
翼がAに対して苦笑いを浮かべる。
Aは水を飲みながら頷いた。
水飲みながら頷けるってすごい。
『ミサキのはなーに?』
「醤油…」
『おおっ、私と一緒だねー』
にっこりと笑うAは、
教室では見た事がなかった。
クラスにいる時のAはいつも
頬杖をつきながら外を見ていたから。
『ここのラーメン美味しいね!』
それに翼と頷くとAはまたラーメンを
食べ始める。
__その日からAといることが多くなった。
一緒に居てわかったことがある。
彼女はイジメを受けていると。
助けようとも思ったけど、
その度にAは助けを拒むのだ。
きっと、あの時お昼を食べなかったのも
イジメが関係しているんだろう。
そう思うとなんだか腹が立って仕方ない。
それに、何もしてやれない自分の無力さが
とてつもなく歯痒かった。
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エルフィール - 夢主さん……かっこいいです!とっても続きが気になりますっ! (2015年8月27日 21時) (レス) id: dd20ee8f18 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - ヒビヤ天使!天使天使天使天使天使天使((殴グホ! (2015年6月30日 16時) (レス) id: 351622247d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - おいメグミ!!イラスト集のパス変えたりしたのか!? ちょっ…入れないんだが!! おい、このコメ見たらひこメカ関連のとこに一度は顔出せ!! (←見たらこのコメ消していい) (2015年2月19日 8時) (レス) id: 1de8d2a034 (このIDを非表示/違反報告)
ネオン(プロフ) - うっほぉwwwwとりまやばたぁんwwwww((殴 うぐぅっ (2015年1月17日 12時) (レス) id: 962937abfa (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - 相変わらずヒビヤが好きなのなw (2015年1月6日 23時) (レス) id: 23c0d5a001 (このIDを非表示/違反報告)
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