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第四十一話 ページ2

携帯の画像を整理している間に、

黒髪の男の子を見つけた。

綺麗な顔立ちで、どこか浮世離れした雰囲気。

『…かっこいい』

はぁっと息が零れる。

なんだか、心拍数が上がったような…。

「ん?なにがかっこいいの?
あっ……」

私の携帯を覗きこんだモモちゃんが、

いきなり小さく声を上げた。

『どうしたの?』
「……Aちゃん、この人の事覚えてない?」
『え?う、うん』

私の知り合いだったのかな。

こんなかっこいいが私の知り合い?

いやいや、あり得ない。

でも、そういうことならアイドルのモモちゃんが

こんなに近くにいることも信じられない。

「Aちゃんの家族だよ?」
『え……』

恋愛フラグ折れました。

家族なのか。

確かに妙な説得力がある。

だって、初めて見るような気がしない。

「……」
『ヒビヤ君、どうしたの?』
「別に」
『えぇ…別に顔じゃないよ』

そっぽを向いてるヒビヤ君の頬をつねった。

「いひゃっ!」
『……もう!可愛いー』

ぎゅっと抱きしめると、ジタバタと暴れる。

モモちゃんが大爆笑でそれを見ていた。

あまりに暴れるので離すと、

顔を真っ赤+涙目で睨まれた。

…可愛い。

『ヒビヤ君って犬みたいだよね』
「犬!?」

するとミサキちゃんが、鼻で笑う。

「駄犬ね」
「まず、犬じゃないから!」
「今度から犬って呼ぶわ」
「犬じゃないって!」

キーっと怒るヒビヤ君に、

舌をちょろっと出して挑発するミサキちゃん。

それから大爆笑のモモちゃん。

『……仲良いね』

ポツリと呟いた言葉に、

何と無く孤独を感じた。




******************


ヒビヤside




本当に何も覚えていないんだな、と実感する。

喪失感と拭きれない悲しみが襲う。

自分が何を思ってるのかわからないけど、

ひとつだけわかる。





戻りたい。




この関係が壊れる前に。

君が罪を犯す前に。

いま、ここに《A》がいたら、「何言ってるの」って笑われるな。

守るとか口だけ言って、余計に苦しめてた。



「残ったのは負け犬だけ」



下をうつむいて流れた涙は、たしかに君を想っていた。

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エルフィール - 夢主さん……かっこいいです!とっても続きが気になりますっ! (2015年8月27日 21時) (レス) id: dd20ee8f18 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - ヒビヤ天使!天使天使天使天使天使天使((殴グホ! (2015年6月30日 16時) (レス) id: 351622247d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - おいメグミ!!イラスト集のパス変えたりしたのか!? ちょっ…入れないんだが!! おい、このコメ見たらひこメカ関連のとこに一度は顔出せ!! (←見たらこのコメ消していい) (2015年2月19日 8時) (レス) id: 1de8d2a034 (このIDを非表示/違反報告)
ネオン(プロフ) - うっほぉwwwwとりまやばたぁんwwwww((殴 うぐぅっ (2015年1月17日 12時) (レス) id: 962937abfa (このIDを非表示/違反報告)
くまこ - 相変わらずヒビヤが好きなのなw (2015年1月6日 23時) (レス) id: 23c0d5a001 (このIDを非表示/違反報告)

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作者ホームページ:   作成日時:2014年4月20日 23時

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