-初心な仕事仲間- ページ26
カラン。
＿＿コロン。
下駄が可愛らしい音を立てる。
その音に、慣れ親しんだ匂いに炭治郎は赤い瞳を向ける。
目に飛び込んで来たのはゆらゆらと揺れる提灯。
そして。
「＿＿A……、なのか…？」
「っふは！どう？分かんないでしょ。」
目を見開かずには居られなかった。
「すごい、どこからどう見ても女の子にしか見えないぞ……」
「これなら鬼も騙されるでしょ。」
ふふん。
と得意気なAに微かに赤く染まった炭治郎の頬は、赤い夕陽のお陰でうまく隠されたのだとか。
「16歳の普通の女の子と、14の稀血の女の子に扮した俺！狙うなら圧倒的に俺でしょ！」
「…」
「……、？おぉーい。たんじろ？」
ビッ！と己を指差すAを心ここに在らずといった様子で見つめる炭治郎にAがヒラヒラと掌を目の前で行き来させる。
「……はっ！すまない！つい。」
「おいおい…しっかりしてくれよ仕事の相棒…ついて来て。」
Aはくるりと踵を返し、街中から外れた人気のない方向へと提灯の灯りを揺らしながら歩を進める。
街で被害が出るのを防ぐため。
なるべく鬼を街から遠ざけるため。
一歩先を歩くAの背を追うように炭治郎が後を追って歩く。
「……あ"の"さ"…！」
「わ"！！」
ぐんっ！と市松模様の羽織の袖を掴み己の隣へと引き寄せる。
「わ"！わ"ぁ゛！？！」
一気に近くなる距離に、たじろぐ炭治郎などお構いなしにそのまま耳元へと口を寄せるA。
「(自然な感じにしてもらわないと、鬼も警戒して寄って来ないでしょーが！！)」
「(〜〜〜ッ、！！すまない！！)」
パッ、と手を離し肩を並べて歩を進めるものの数歩足を進めたところでトン、と肩を当て、身を寄せるA。
「…！」
再び石のように固まる炭治郎。
そんな炭治郎にAは困ったように笑いながらため息を一つ。
「…あはは、ごめんね少しだけ我慢して。できるだけ自然に、前だけ見て歩いて。」
身を寄せたのは作戦を伝達する為。
いつどこに鬼が出るかわからない状況故に、小声で話す必要があったからだ。
加えて自然な恋仲を装う為。
辺りをずっと警戒しながら歩くAに炭治郎も気を入れ直す。コクリ、と頷き周囲を警戒しながらAの話に耳を傾ける。
「…鬼はきっと俺を狙って来る。人が消える原理は血鬼術の類なのかまだ分からない。炭治郎は相手の出方に気をつけながら、鬼の頸を狙って欲しい。」
「…わかった。」
.
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あ - パースワード教えていただければ嬉しいです (2月29日 19時) (
レス) @page32 id: 9e43a05317 (このIDを非表示/違反報告)
こはく(プロフ) - ずっと前から見ていた作品でアカウント変えてからやっと見つけました。パスワードを教えていただけたら嬉しいです (2月8日 8時) (レス) id: 094a65f89f (このIDを非表示/違反報告)
あい - 一気に見さて頂きました。おもしろかったので続きが読みたいのでパスワードを教えていただけたら嬉しいです。 (1月25日 19時) (レス) @page29 id: b97ed817a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえんはけつの穴 - かきなおし途中でもいいので読みたいです…この続き全部パスワード管理で寂しいです…気長に待ってます！ (10月30日 17時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
きょむ - 前に無限列車編の途中まで読ませてもらってた者です！ほんと大好きな作品です🌼めちゃめちゃ面白かったのでまたもう1回読みたい…🥺急かすつもりは無いのでいつか読めたらいいな〜ぐらいの気持ちで待ってます！のん。さん応援してます！ (9月13日 12時) (レス) id: b566dd52f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月22日 8時
