-鬼になる理由- ページ44
「そこ、座ってもらえますか」
よいしょ、とAは右足を庇いながら自分の隣をぺちぺちと叩きここに座るように促す。
炭治郎は困ったような少し恥ずかしそうな顔を浮かべながら言われるがままにAの隣に腰掛ける。
「じゃあ、お願いしようかな…」
「任せて下さいっ！」
力瘤を作りながらニコリと笑みを浮かべ己の手ぬぐいに真水を含ませ少し目線の低くなった炭治郎の頬に触れ額の傷をそっと拭う。
よく見ると
黒髪に赤い髪が混じってるんだ。
綺麗な髪だなぁ。
「……厄除の面、割れちゃいましたね、」
「いいんだ。鱗滝さんが守ってくれたって俺は思ってる。」
「あの手の鬼が言ってた…水の呼吸の人たち、炭治郎さんの知り合いなんですか？」
「……」
きょと、と不思議そうに
炭治郎はAの双眸を覗き込む。
漆黒の髪。
きらりきらりと水面の光を反射する黒曜石のような瞳。
瞳の奥が淡い紫色をしていてとても綺麗。
炭治郎にはこの時幼き頃に煤だらけの頬を拭ってくれた母親の姿に重なって見えていたのだとか。
「ごめんなさい…言い難いですよね…鬼がどうしてあそこまで人を喰らうようになったのか、鱗滝さん、に執着するのか気になっただけ、なんです。……俺も、
「……A、も？」
「ふは、俺の話はまた今度にしましょう。ちなみに俺は鬼ではありません、人間ですよ。」
顔についた埃や血を拭い綺麗になったところで清潔なガーゼと包帯を巻いて行く。
「……鬼は、人の心の闇から生まれることもあるんですって。俺の師匠が言ってました。…よし、おしまいっ！出来ましたよ炭治郎さん！」
「ありがとう！A！」
「いや、俺も親切にしてもらってますから。当然です、寧ろ足りないくらいですよ。その、話し辛かったら別に無理に話さなくて大丈夫です。不躾な質問でしたし。」
「いや、話すよ。…特徴のあった2人。あの2人は＿＿」
炭治郎さんの稽古を付けてくれた男の子と女の子で名前は錆兎さんと真菰さんと言うらしい。
錆兎さんは強く
真菰さんは的確に悪い所や癖を直してくれたんだとか。
でも、もう何年も前に亡くなっていたらしい。
錆兎さんは頸は硬く斬ることが出来なかった所を鬼に頭を握りつぶされ、真菰さんは手足を引きちぎったってあの鬼が言ってた。
鱗滝さんは
炭治郎さんの師匠で鬼殺隊元・柱。
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
