-普通を装う為の、嘘- ページ45
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＿＿ｻﾞｧｱｱ...
雨。
朝の晴れ間は何処へ行ったのか、昼過ぎからから降り始めた雨は岩陰で休むAと炭治郎にも降り注ぐ。
川の流れも少し濁り激しさを増す。
木々がざわざわと音を立てる。
岩に当たる雨音が鬱陶しい。
耳を塞いでも。
目を閉じても。
そんなことをしても無駄なのは分かってる。
こんな自分に嫌気が増す。
…呼吸だ。
呼吸で気を紛らわせ。
ヒュゥウ…、
Aは患部の腹部を
手で押さえ呼吸を繰り返す。
肺を大きく血を巡らせ、細胞を活性化させる。
自然治癒力を高めるんだ。
早くしないと、夜にはまた鬼が出る。
炭治郎さんは隣でよく眠っている。
借りていた上着をそっと掛けて、自分のカラリと乾いた上着に袖を通す。
「……寝てないのか、A…」
「わっ、ごめんなさい。起こしましたか。寝ようと思ったんですけど休めなくて。呼吸使って傷塞いでました。」
笑え。
笑え。
いつも通りだ。
＿＿嘘吐き。
『呼吸使って気を紛らわしてました。』
だろ。
炭治郎は眠そうに目を擦りぽやぽやとしながら上着に袖を通し、三角座りの浮かない顔のAを見遣ればぽすん、と頭を撫でる。
「＿＿！」
「…無理に笑う必要はないと思うぞ。Aからすごく悲しくて切ない、憎悪の匂いがする。」
「…何なんですか、その�狷�い�瓩辰董�そんなので人の感情が分かるんですか。だったら勝手に嗅がないでください。不愉快です。ずるいです。」
「それは…、すまない…。俺は、人より鼻が良いんだ。鬼や人の匂いは勿論、人の感情や考えていることも大体わかってしまうんだ。」
＿＿やっぱり苦手だ。
雨も。
炭治郎さんも。
炭治郎さんの呼吸も。
「俺は…きらいです。雨も、炭治郎さんも。」
「＿＿そうか。でも俺は嫌いじゃないから出来ればAと仲良くなりたい。最終選別を生き残って同期として共に切磋琢磨出来たら良いなって、思ってる。雨が嫌いだと言うAの理由は分からないが…いつか聞かせてくれると嬉しい。…雨が憎いほど嫌いなら、少しでも好きになれるように俺も手伝おう。」
頭を撫でる手がそっと退く。
「余計なお世話…です。それに…炭治郎さんには関係ないです。これは俺の問題です。理由は、そうですね。雨の日には嫌な思い出しかないんですよ。…あとは、最終選別を勝ち抜いたら、お話ししますね。」
ニコリと笑みを浮かべAはそう告げた。
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
