-あたたかい手- ページ42
「どうしてそんなに嫌がるんだ！？そんなに傷が痛むのか？」
「いやぁ…その、」
「…ほら、血がこんなに…。早くしないと悪化してしまうぞ。」
「ぅ"……。」
心配そうに見上げる炭治郎に芽生える罪悪感。
しかし、そんな炭治郎の手を避けに避けファイティングポーズで応戦するAに痺れを切らした炭治郎がAの服を強引にひっ掴み、ふん！！！と一気にひん剥いた。
「ギャァ"ーーーっっっ！！！」
「＿＿！酷い怪我だ……痛むだろう。」
炭治郎の目に飛び込んできたのは日に焼けてない白い腹に不釣り合いな赤黒く変色した包帯が。なんだか凄く異質なものに見えた。
ﾊｯ、恥ｽﾞｶｼｲ……！！！
消ｴﾃｼﾏｲﾀｲ……！！！
真っ赤に染まった顔はまるで茹蛸のよう。
怪我の度合いを見つめる真剣な視線を遮りたくてAはもじ、と両手を結んだり開いたりと一人で羞恥心に支配されドコドコと暴れる心臓と戦うのに忙しない。
「……別に、平気です…！！ですから、あの…っ、！」
「……平気な訳がない。キミは少し無茶をしすぎる。さっきの手鬼の時だって……あの時、足なんてどうなっても良いって思っていただろう。」
「……ぅ"。」
「やっぱり。少し痛むだろう…辛抱できるな。包帯、取るぞ。」
影千夜にすら触れられたことのない腹。
その腹に傷だらけのすこしささくれたあたたかい手が触れてゆく。
「…っ、ひぅ…、！」
聞いた事のない自分の声に思わず口を両手でパシリ！と覆ってしまった。
触れられたことのない脇腹を素手で触れられたからなのか。身体が勝手にピクン！と跳ね、初めての感覚に脳内に�燹�？？�瓩�浮かぶものの途端に羞恥心に呑まれ背筋を伸ばし固まってプルプルと震えるA。
「ｽ、……ｽﾐﾏｾ……」
「寒いのかA。少し待ってくれ。」
「っ……！！？」
途端に目の前の炭治郎が、目の前で上を脱ぎ始めAは完全にキャパオーバーを迎え爆発寸前。己の肩にそっと掛けられた服のぬくもりに完全に爆発し、完全に動かなくなったのだ。
「大人しくなった…」
騒がしかったAが途端に静かになり違和感を懐くが、手は止めずあたたかい手が血に塗れた腹を、背を、腕を、傷を手当してゆく。
「聞いてもいいか？」
「……なんなりと。」
「…この傷、どうしたんだ？」
「これは……」
Aは話す。
最終選抜への行くための条件だったあの修行のことを。
ここに来る前に異能の鬼と対峙したことを。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 809人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
