-どうしよう。- ページ41
ズンズンと歩く割には怪我した足を気遣ってくれてるのか揺れは少ない。
はぁ〜〜〜ぁ。
どうしよう。
炭治郎さん、治療するまで絶対に折れないぞこの人。
真面目なんだか、頭が硬いんだか。
俺もだけど、炭治郎さんも怪我は酷い。
じゃあ俺はその分手当てさせてもらおう。
次第に森を抜け大きな清流が姿を見せる。
きらきらと朝日を反射し光り輝く水面が眩しい。
Aは川岸の大きな岩の上にそっと降ろされ「まずは足からだ」と手際よく草履や足袋を脱がされAの羞恥心など我知らず、ズボンを太もも辺りまでたくし上げられる。
赤黒く変色したAの白くて細い足首から膝辺りまでを見れば顔を顰める炭治郎。
「酷い……少し痛むかもしれないが我慢だ。出来るな?」
「いや、お兄ちゃんか、炭治郎さんはっ!これくらいの傷、別に慣れっこです…俺は別にいいから炭治郎さんの手当てを先に……痛ァ"ァ"ァ"!!!」
ふっ、と目を細めながら炭治郎さんは手際よく足の傷についた汚れや固まった血を洗い流し自身の手ぬぐいで綺麗に拭ってくれる。
慣れっこと言っても痛いものは痛い。
ギギギ、と物凄く顔を顰めるAに、炭治郎は優しい声色で話しかける。
「俺には、兄妹がいたんだ。」
「…え。」
……
「Aは妹の禰󠄀豆子に似ている。自分はいいから、他人を先に、って全部自分を後回しにするところとか。」
内容が内容だけに聞いてもいいのかと言い淀んでいると炭治郎は満足げにAを見上げた。
「はいっ!出来た!」
「えっ、早!」
「いいか、夜までは絶対安静だ。」
「……ぅ、分かりました。」
あったかいな、この人は。
足には綺麗な白い包帯が巻かれて歩くのに支障がないようにと支え木までご丁寧にして下さってる。
「さぁ、次は上だ。脱げるか?傷を見せてほしい。」
「……ぅ"。本当に、ダイジョウブです。」
「そうか…傷が痛んで服すら1人で脱げないほど酷いんだな…。もしかして恥ずかしがっているのか?大丈夫だ!俺たちは男同士!恥ずかしがる必要は何もないだろ?」
「えっ、違……、ちょぉおお!!!本当に怪我してませんからァアア"!!!!」
なんなんだその曇りなき瞳は!!!
そういうことじゃない!!!
やめろ!……やめろ!!
服を掴むな!!
年の近い男の子に
服ひん剥かれるとかなにそれ!恥ずか死ぬ"!!
いや、さらしは巻いてるけど!
恥ずかしい……!
.
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています!続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです!! (2022年12月17日 1時) (レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです!!パスワード教えてくれませんか? (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした!続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして!恐れ多い御言葉大変恐縮です...!これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました! (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い! (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん。 | 作成日時:2019年9月1日 23時