【シンタロー】名前、呼ばせてよ【カゲプロ】 (ページ21)

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Hate１９ページ21

「………ここは………」

目が覚めると何故か教室にいた

………オレ死んだのかな

『大丈夫。まだ死んでないよ』

「この声………？！」

懐かしい声が聞こえた

そちらを振り向くと

そこに立っていたのは

死んだはずの

___________アヤノだった

『ははっ久しぶりだねぇ。元気にしてる？』

「何で………何でアヤノがここに」

『何って………シンタローに真実を見せに？』

「………今更何が真実だよ。いいんだ。オレは………彼奴には必要とされてねぇんだ」

『じゃあ逆に聞くけど君は？』

「オレは………彼奴が………必要だ。彼奴がいないと………生きてけない………生きたく………ない」

『じゃあどうしていらないなんて決めつけるの？』

「………だって。たくさん彼奴を傷つけた。たくさん彼奴を見放した。………だからオレは………」

『死のうとしたの？』

「……………」

無言でコクリとシンタローが頷く

『………シンタローはバカだねぇ………だから私が真実を伝えに来たんだよ？』

「………じゃあ真実ってなんだよ」

『………見せてあげる。あの日、ホントはAが何を願っていたのかを』

ザザッ………と目の前に、氷雨の姿が現れる

あの日のだ

氷雨が泣いていた、あの日の

そのまま黙って見ていたが、何もあの日と言葉が変わらない

………じゃあ何が真実？

『………私じゃあ………シンタローを………傷つける………』

「………ひさ………め？」

自分の耳を疑った

あの日聞き逃した、言葉

『アヤノじゃなきゃ………シンタローは笑ってくれない………』

「………！！」

これは幻覚だということも忘れて、オレは氷雨に手を伸ばしていた

その瞬間、氷雨の姿が消えた

『もし、君があの日、これを聞いていたらAの部屋に入っていたでしょ？』

「………………」

『じゃあ、私からはこれだけ』

「………ダメだ」

『………何が？』

「………どうせ、生きてましたってオチだろ？………いい。オレは死ぬ」

『何で？』

「………………オレじゃ、彼奴の隣にいれない。………彼奴を幸せにする自信が………ない」

『そんなの関係ない』

「………………」

『幸せにするしないじゃなくて幸せにしなきゃいけないの。あの子の苦しみは、シンタローが一番知ってるでしょ？』

『………シンタローは、嫌いに………ならない………よね？』

「………………」

『だから、あなたはここにいてはいけない。だから私は戻す。じゃあね。シンタロー』