【黒バス】ウソコク【緑間真太郎】

５つめのウソ。 ページ6

「あの、緑間くんいる？」

「緑間っち……ああ！アンタが白井さん？」

「え、なんで私のこと……」

「超有名だよ。あの緑間っちに告ったって」



予想はしてたけどまさか、こんなに噂の回りが早いとは思わなかった。

ますますウソコクだと言い出しにくくなる。



「にしても付き合ってソッコー会いに来るとかなかなか献身的じゃん」

「う、うん」

「ちょっと待ってて。呼んでくるから！」



バスケットボール片手にバカみたいに広い体育館の隅のほうへと駆けていく黄瀬くん。

なんとなくその動きを追いかけていると、一人の選手のところで目が止まった。



「緑間くん？」



あの翡翠色の髪。間違いない。



「え、あんなところから……っ!?」



バスケのルールなんてよく知らないけれど、心から綺麗だと思った。


完璧なループを描いてボールがネットをくぐり抜ける、ともすれば、聞き逃しそうなほどの音で私は意識を現実に戻す。



「すまん。待たせたな」

「ううん、こっちこそ練習中にごめんね」

「それで用事というのはなんだ？」



すっ、と短く息を吸って心を決める。



「あの、さ」

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