【黒バス】ウソコク【緑間真太郎】

21こめのウソ。 ページ24

「あ……これ可愛い」

「そうか？オレにはよくわからん」



ウサギのストラップが飾られたショーケースを食い入るように見つめる私に、怪訝そうな視線を送る緑間くん。



「緑間くんは可愛いって思わないの？」



彼のほうを振り向いて問いかけると、らしいといえばらしい答えが返ってきた。



「機能性を重視するからな。見た目など二の次なのだよ」

「うーん。そこは価値観の違いかな」

「バスケを綺麗と評する価値観はオレとよく似ていると思うが……」

「な、なんでその話知ってるの!?」



ガコッとガラスに頭をぶつける勢いでコケる私に緑間くんは、今となっては珍しいガラケーを差し出す。

そこにはまるで女子のような顔文字を使った……黄瀬くんのメールがあった。



『緑間っちの彼女さんって緑間っちにそっくりっスね(｀・ω・´)

バスケのこと綺麗っていう人に、人生で二人も会うとは思ってなかったっス笑笑』



「ちなみになんて返したの？」



無言で携帯を操作し、しばらくしてからスッと私の前にまた画面を突き出す。



『黙れ駄犬』



「……緑間くん」

「なんだ」

「もう少し言葉を選んであげても良かった気がするのは私だけなのかな……」

「甘やかすとつけあがるのだよ」



ほんのちょっぴりだけ黄瀬くんに同情した。

22こめのウソ。→←20こめのウソ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す