邪道ヒロイン52 ページ12
まぁ、とりあえず、あの時の幸村の嘘の理由もわかったわけだ。
「私、そろそろ行くねー」
これ以上関わりたくはない。
そう思って、ドアへと歩いた。
「先輩、ちゃんと逃げてくださいよ」
意味深にそう告げたワカメちゃんは、冷たく私を見つめていた。
なんだ、その目。
私だって、マネージャーなんてやりたくないっつーの。
ドアが閉まった後、私は舌を思いっきりだしてあっかんべーとやってみた。
うん、一回やってみたかったんだよね。
* * *
「やはりここか」
「げっ」
科学準備室から出て廊下に立つと、聞き覚えのある声が耳を撫でた。
「お前がここから出てくる可能性は84%だった」
名前は相変わらずわからないから糸目くんでいいや。
いやいや、そんなことよりも。
単純に思う。
こいつすげぇ。
だ、だってさ私の居る場所わかったんだってよ!?
84%だってよ!?
すごくない!?
や、やっぱり、
「ストーカー!?」
「断じて違う」
こんなやりとり、前もした気がする。
うーむ。
「俺は生徒全員のデータを持っている。
何度も言うが、お前のストーカーではない」
「へ、へぇ」
それも結構引くけどね
なんて言えない私は引きつった笑みを浮かべる。
「そ、それじゃあ私は……」
鬼ごっこだと思い出した私はゆっくりと足を後ろへ滑らせる。
「心配するな。
今日はお前を捕まえる気はない。
それにデータがある限りお前を見つけることなど造作もないからな」
フッと微笑んだ糸目君は、私の腕をゆっくりと引き寄せ、元の位置へと戻した。
この人、こ・わ・い。
一番怖いよ。
明日から逃げられるんだろうか。
ダラダラダラダラ。
冷や汗が吹き出してくる。
「今日は、お前に聞きたいことがあってきた」
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かるぴん(プロフ) - とても面白いです! (2021年4月8日 15時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - おもろい、ほんま好きです。(何で関西弁…本当に面白かった作品読むと変になっちゃうんですよ) (2021年2月14日 21時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
財堂若也 - 初めまして!財堂若也です!(一応女です!)第一章から見ています!主人公ちゃんの性格が面白いです!見ながら、お腹抱えて笑ってます!主人公の捕まえたときなど知りたいので、続き待ってます!頑張ってください! (2020年8月10日 10時) (レス) id: 7fa4fbfbfc (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^すごく面白かったです^_^楽しくて、ずっと笑ってました^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年7月19日 15時) (レス) id: 76d368eb20 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます (2019年2月23日 11時) (レス) id: ae1a9a4a75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年8月5日 22時