【切原赤也】恋愛ミッション - love mission -

After the mission 3 ページ9

「もう！大体あの人は確信犯なんすよ！」


「まぁまぁ。幸村君はそんな人じゃないよ？」





幸村部長に宣戦布告？をして敗れた俺は、先輩に泣きついていた。


この前抱きしめちまったから、しばらく気まずかったけど、やっと普通に戻れたんだ。




なのに。


なんで、庇うんすか。





「そんなことないっす！
幸村部長は俺の反応を見て楽しんでるんすよ！」




むきになる俺は、声を荒げてそう言った。




「憶測だけでそういうこと言っちゃ駄目だよ」


「……っ」





A先輩は、間違ってない。


でも、そんなあからさまに幸村部長を庇わなくてもいいのに。

愚痴くらい、聞いてくれてもいいのに。



……くそ。

俺、だっせぇ。



好きな女に愚痴ってる時点で、俺が負けてる。





幸村部長なら、何があったって、彼女の前では笑ってるだろうな。


あの人には、やっぱり勝てねぇ。




ほんと、情けねぇな。





「切原くん」



下の名前で呼ばれなくても、俺はやっぱりこの人が好きで。


どうあったって、好きで。


欲しくて、たまらないんだ。









「先輩は、幸村部長が……」


好きっすか？




それは、聞けなかった。


答えが返ってくるのが怖かったから。




だって。



俺が望む答えじゃないことくらい、わかってたから。







だけど先輩。





俺、ワカメだけど。

馬鹿だけど。

幸村部長に勝てないけど。




だけど、俺。





先輩を好きな気持ちは負けないっすから。








mission 3 完了

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