【テニプリ】せーの！邪道ヒロイン伝説！！

邪道ヒロイン32 ページ34

「精市、それくらいにしてやれ」




なんと助けてくれたのは意外にも糸目君だった。


ストーカーとか思っててごめんよ。


なんだかとっても彼が妖精さんに見えてきた。

大魔王のショックのせいかなぁ。



とっても涙がでるよ。





「フッ仕方ないね。
それで、もちろんやるよね？」




腕が緩んだ瞬間、バッと飛び出した私は約2m大魔王から離れた。




「やるわけねぇだろ！変態野郎！！」




顔に熱が集まる。

大魔王の顔をまともに見れなくて、糸目君の後ろに隠れた。


いや、ほらさ。

一番安全じゃん？


ストーカー(かも)しれないけど。





｢部長ー！響先輩はどうするんすか！
響先輩だってマネあんなにやりたがってたじゃないすか！｣




茫然と立ち尽くしていたワカメちゃんが、部長と呼ばれた大魔王に縋りつく。


あんな温室育ちのお坊ちゃんみたいな奴が部長なんだ。

強いのか？


この時の何も知らない私は、一週間後、死ぬほど思い知ることになる。

彼の絶対的な異名と、その訳を。

｢響はやはり駄目だ、赤也｣




響……高城さん。

そうだよ！高城さんがマネージャーやればいいじゃん！


それなのに、酷く苦しげな大魔王。



なんなんだ、この空気。





｢響は、精市の母方の従兄だ｣



会話についていけない私に糸目君はこそっと教えてくれた。



｢ま、まじでか！｣




遺伝ってすげぇええ！！！！


やっぱ、どっちも美人なんだなぁ。

DNA、私に分けてください。

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