#No! No!

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「それにおばあちゃんだけじゃなくて普通に女の子ってメイクするだけでテンション上がるじゃないですか？
　なんかそれっていいなって思って。」



って話してふと顔を上げると
二階堂さんは頬杖をついて
ものすごく優しい顔でこっちを見ていた


あんまり見たことのない顔だったから
思わずドキッとした


と同時に真面目に自分の夢のことを話したことが急に恥ずかしくなって


「まぁ、でもこの仕事に就くってなって彼氏にフラれちゃったんですよ。
　自分のことしか考えてないって言われて、ほんとにその通りで……
　なんか……やってしまったーって感じでした。笑」

と少しおちゃらけてみた


『え？
　自分のことしか考えてないって？』


「私、前職が美容師だったんです。
　元カレは普通のサラリーマンで、ただでさえ休みが合わなかったのに転職したらさらに合わなくなるじゃんって言われて。
　それ言われるまでそんなこと全く考えてなかったんですよ。
　それで自分のことしか考えてないって言われちゃいました。
　私、最低ですよね。」


『そんなの当たり前じゃん。』


そう言って二階堂さんは笑った


『だってAさんの人生なんだからAさんが考えて決めて当然でしょ？
　なんでやりたいことやるってなって自分のことしか考えてないとか酷いこと言われなきゃいけないの？』


二階堂さんがそう言ってくれたおかげで
今まで心のどこかにちょっとだけ引っかかっていた直哉の言葉がスッと外れた気がした


『人生1度きりなんだから、
　自分がやりたいことやればいいんだよ。
　後悔するくらいならやった方がいい。
　俺はそう思うよ。』


「……ありがとうございます。」



二階堂さんが肯定してくれて
なんだかちょっぴり嬉しかった

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