This CRAZY loVe 2

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「うん。
　やっぱここの焼鳥美味しいー。」



『ニカはほんとに常連になったらしいよ。』


「ふふ。
　二階堂くん、毎日晩酌するって言ってたもんね。」


『今度千ちゃん連れてくって言ってた。』


「千賀くん、飲みすぎないようにしないとね。笑」


思い出を辿るようにみんなの話をする

すごく楽しい時間だった

たった1年だったのに
思い出がたくさんできた


「みんな優しくて楽しい職場だったな。」


思わず声に出ていた


「私、最初藤ヶ谷くんのこと怖かったんだよ？笑」


ちょっとだけほろ酔いの勢いで思ってたことを言ってみた


『はは。
　そうなの？』


「うん。
　なんかあんまり笑ってくれないし、嫌われてるのかなぁーって思ってた。」


笑ってくれるだろうと思って冗談でそう言った


なのに藤ヶ谷くんは節目がちに
ちょっと話しにくそうに話し始めた


『………その逆だよ。』


「え？」


『Aさんが入った頃、俺ちょうど別れたくらいの時期だったんだよね。
　なんかぽっかり穴が空いた感じだったんだよ。
　けど人懐っこいAさんの笑顔に癒されてさ……
　毎日楽しくなった。』


……そう言って優しく微笑んだ



『ありがとう。』



いつもありがとうと言う言葉を言ってくれる



その言葉のおかげで感謝の大切さを学んだ



「こちらこそ、ありがと。」



藤ヶ谷くんがいなかったら私はまた暗く塞ぎ込んでいたかもしれない
友達のいないこの街で私がつらくなった時に話を聞いてくれた人
彼のおかげで私は寂しくならずにすんだ


たとえ一般的には許されないことだとしても
私は後悔などなかった


「………藤ヶ谷くんがいてくれてよかった。」


私がそう言うと同時に


ヒューーーードォォン！！！


と花火大会が始まった


『ん？
　あ。花火始まったみたいだね。
　なんて言ったの？』


花火の音にかき消されて私の声は藤ヶ谷くんには届かなかったようだ


「ううん。
　なんでもない！
　花火見よ？」



『見える？』


窓の外を見るためにフワッと近付いた2人の距離


『見えにくいな……。
　窓開けよっか。』


立ち上がり窓を開けて
そのまま私を後ろから抱きしめるような格好で座った




藤ヶ谷くんと見る最初で最後の花火








きっと








私はこの花火を






この夏をずっと忘れない

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