77時間目 ページ16
翌日、朝早くに陽菜ちゃんからメールが届いた。
『課題あったよー! 本の下に埋もれてたw 昨日はわざわざゴメンね!!』
という内容だった。
それを見て、肩を落とし落胆する。
…私たちの昨日の努力は、いったい……
まさに、『orz』という気分だった。
・
夏休みも終わり、中間テストも終わった。
今は12月。
なんだか今年は、ずいぶんと時が過ぎるのが早かった気がする。
12月になり、珍しく雪が降った。
はらはらと舞い落ちる雪は、とても幻想的で美しく、思わず空を見上げていた。
手についた雪は、すうっと熱で溶けていった。
それを見て、もう冬なんだな…と、改めて実感する。
確かに外はもう寒い。
手袋とマフラーが手放せなくなっている。
もうすぐで、三年生だな…
三月を楽しみに思いながら、家路を急いだ。
しかし、歩いていたとき微かに、人の呻き声が聞こえたのだ。
危ない気もするが、どうしても気になってしまい、その方向に足を進めた。
その路地裏には、見るからに不良という男子高校生が数人倒れていた。
「えっ…」
思いがけないことだったので、緊張感のない声が出た。
それほど、凄まじかったのだ。その光景は。予想を裏切るほどに。
倒れている人は皆、体の至るところで出血をし、顔は殴られた跡がいくつもある。
治ってくれば、きっと痣になる。そのときの顔は、想像もつかないほどにひどいのだろう。
それにしてもこんなこと、いったい誰が…
路地裏の中央を見るとそこには、見慣れた人が立っていた。
「………カルマ君…?」
名を呟くと振り返り、いつもの笑顔を見せた。
「あれ? Aちゃんじゃん。どうしたの?
あっ、もしかして殴ってるところ見てたとか?」
「いや、見てはないけど…」
カルマ君の喧嘩がここまで酷いとは思わなかった。
その言葉は、喉の奥底に閉じ込める。
別に、知っていたじゃないか。彼が喧嘩をしているなんてこと。
漫画でも、そういう描写が描かれていたのに。
でも。
いざ見てみると…恐怖心が湧く。
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grape - 85時間目の文が 暗算教室になっていますよ~。この話とても大好きです!更新頑張ってください! (2016年10月18日 19時) (レス) id: 677506d160 (このIDを非表示/違反報告)
シノア(プロフ) - *姫愛*さん» 本心ですよ!(笑) 続編も良ければ見てください!今から書きますので… (2015年2月16日 21時) (レス) id: 3b934ef546 (このIDを非表示/違反報告)
*姫愛*(プロフ) - シノアさん» そういってくれると嬉しいです!wどういたしまして! (2015年2月16日 21時) (レス) id: cfa9906503 (このIDを非表示/違反報告)
シノア(プロフ) - 優にゃーさん» カルマ君カッコいいですか!? 正直、自信なかったんですよ…でも、そう言ってもらえて安心しました! 番外編のURLを貼りましたので、良ければリクエストください(( (2015年2月16日 21時) (レス) id: 3b934ef546 (このIDを非表示/違反報告)
シノア(プロフ) - *姫愛*さん» ちゃんと見れますよ! ありがとうございます!題名まで入れてくださって…しかもコメント付き!感激です! 本当にありがとうございました! (2015年2月16日 21時) (レス) id: 3b934ef546 (このIDを非表示/違反報告)
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