6.それしかなかったから ページ7
腕の中にいるエリを抱きしめて顔を肩口にあてて耳を塞がせた。
治『全く…おまえのせいで俺が手を汚すことになった。』
足に力がはいらない。
赤い液体が路地のかべにべっとりとついている。
『ひッ…ひぃ！』
『あぁあ"…いてぇ、いてぇよ…！！』
お兄さんたちは怪我をおってしまった、一人はかなりの重傷。
『ぁ…』
治『A……これ以上こいつらが傷つく姿、もっと見たいのか？』
なんてことない様子で頬についた血を拭う。
心のそこからわきあがった恐怖がわたしを支配した。ほんとうにこの人は人を殺すことを躊躇しない、なんとも思ってない。
『っっヒー…ロー、』
怪我をさせてしまった。
だけどわたしたちにはそれしかなかった。
救けを求めることしか＿＿
『っ見逃す！見逃すから命だけは！！！』
ﾄﾞｸﾝ＿＿＿
『ぜんぶ、全部見なかったことにする！！』
＿＿心臓がいやな音をたてる。
治『……そうですか、それは助かります。A、ほら行くぞ。』
『っあ、』
あいつはこっちへやってきて腕をがっしり掴む。わたしはよたよたと引きずり歩かされた。
"困ってるひとを、たすけてくれる"…
またくらい路地に逆戻り。
治『これでわかったか？"ヒーロー"なんて英雄気取りの病人共に淡い期待を抱くのはやめろ。＿＿無駄だよ、おまえたちを助けてくれる奴なんて誰もいない。』
腕をギリギリとつよく掴む男の言う言葉は
『＿＿』
わたしを絶望させるには充分だった。
＿＿
＿＿＿＿
治「あれはいい薬になっただろう。」
玄「頭からあそこまで逃げるとは今でも驚きですよ。」
治崎と共に歩くのは古株の玄野。
玄「…皮肉なもんですね、助けを求めたヒーローに見捨てられるなんて。」
治「"だからこそ"いい薬になったんだ。」
若頭の言葉に玄野は頷いた。
＿＿＿
＿＿＿＿＿
エ「ひーろー…」
「エリもヒーロー気になる？」
学校にいってた時は周りがヒーローの話をしてたけど、まったく興味なかったから知識も全然だったな。
エ「じゃあおねえちゃんは"ひーろー"だね…！」
「え？」
エリの笑顔に思わず聞き返した。な、なんで？
エ「だっておねえちゃんはわたしを守ってくれるしとってもおもしろいでしょ？何でも出来ちゃうすごい人だもん…！」
その言葉に驚きながらも口角が上がる。
「ふふ、その通り！おねえちゃんは強いんだから！」
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
