12.緑色のヒーロー ページ13
治「A、おまえは確かに賢い。脱走を二度も成功させたんだ、認めざる負えないだろう。＿＿だが"愚か"だ。」
おろ、か？
治「このあとのことはどうする？俺に見つかってしまっては、おまえたちがとる行動は１つしかないだろう。」
それは…＿＿
「それ、は…」
そう、一つしかない。それしかない。
治「はぁ…やはりか。おまえは前回なにを見た？なにを学んだ？＿＿＿"ヒーロー"に裏切られておきながら何故信じようとする。」
＿＿！！！！
エ「っ…！」ｸﾞｲ
その瞬間エリの手を引いて走り出した。
＿＿
＿＿＿＿
にげなきゃ
にげなきゃ
さっき転んでしまったエリを抱っこして走る。
人の声や雑踏が聞こえてくる＿＿＿……ああ、こんなこと、前にもあった。
「ハァ…！ハッ…！」
後ろから追いかけてくる、一生懸命走ってるのにその足音はずっとずっとついてくる。
＿＿いや、おねがい
首にまわってるエリの手が強まる。
＿＿いやだ！
いつの日かのようにまた強く願った。
＿＿＿＿おねがい…、誰か！！！
白い光の向こうへ飛び出した。
「っ、！」ﾄﾞｯ
何かにぶつかって、しりもちをつく。
すぐに顔をあげてそのひとを見た。
「大丈夫？」
緑色が特徴的な、＿＿優しい声のひと。
「ごめんね、痛かったよね。」
「っあ…」
手＿＿＿一瞬あの男のものと重なる。
「大丈夫？立てる？そっちの子も、ごめんね。」
「＿＿＿っっ…」
少し力のはいった両腕はいまだにエリを抱いてる。
っ出せ、声を、＿＿しぼりだせ、がんばれ、がんばれわたし、
すっかりいうこと聞かなくなった自分自身を奮い立たせた。
「た…た、すけて＿＿」
背中にまわった緑色のお兄さんの手がピクリとちょっとだけうごいた気がした。
治「だめじゃないか、ヒーローに迷惑かけちゃあ。」
！！！
顔をうめてるエリの息づかいが変わる、しがみつく力が強くなった。わたしも抱きしめる力を強くした。
きた、来てしまった、どうする、どうしたら…エリを。
治「うちの娘たちがすみませんね、ヒーロー。」
"ヒーロー"…あの男は目の前のふたりをそう言った。
治「遊び盛りでケガが多くて…困ったものです。」
そんなの、うそだよ。
治「＿＿帰るぞ、エリ、A。」
あの男はきっとわたしたちを諦めない。
だからこそ必要なの＿＿"ヒーロー"が。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
