44.背を向けてばかり ページ45
ミ「Aちゃん…もし仮にそれでエリちゃんが幸せになったとしても、その代わりに君が傷ついていると知ったら。…エリちゃんは悲しむんじゃないかな。」
…＿＿。
「…わかってる。」
そう、わかってる。
「間違ってるってことくらい…、わかってるよ…」
わたしは充分それを承知してて。
理解しながら全部のみこんで。
「でも、わたしは。」
『＿＿守ってあげてね。』
あのとき約束した。
『おねえちゃん大好き！』
あのとき誓った。
「わたしは……例えエリを傷つけてでも、エリの未来を守る。」
デクさんとルミリオンさんの顔が歪む。
肩におかれた手に力がはいったその時だった。
「おねえちゃん！！！」
＿＿！！
緑「えっ、今のって…」
部屋の外から…！！
ベッドから降りて廊下へ飛び出す。
エ「おねえちゃん！！！」
「ま、待ちなさい！」
慌ててる様子の看護師さんと向こうでキョロキョロしながらわたしを呼んでる。
「エリ！！！」
エ「…！！」
こっちに顔をむけると、くしゃっと表情が泣きそうになってた。
すぐこっちに駆けてくる。
そんな様子にわたしも走りだした。
ずっと、ずっと会いたかった。
その思いがだんだん強くなって、泣きそうになるけど……なんだかエリの表情が、おこっ…てる？
エ「＿＿っおねえちゃんの、うそつき！！！」
「！」
そのまま飛びついてくると、泣きながらわたしの胸をポカポカ叩き始めた。
えっ…え？
わたしは困惑して行き場のない両手を宙にさまよわせる。
緑「え、エリちゃん…！？」
ミ「修羅場なんだよね！！」
ど、どうしたの、え、なんで…？
エ「ずっとそばにいるって、一人にしないって、約束したのに！！」
「！！」
＿＿『うん、ずっとそばにいるよ。』
「それは…だって…」
エリは叩くのをやめてわたしの服を両手でぎゅっと掴むとこっちをみあげた。
エ「もういやなの！もうおねえちゃんが傷つくのはやなの！！もうおねえちゃんがどこかに行っちゃうのはいやだよ…！！」
「…＿＿」
信じられないぐらい大きい声で、目を見開く。
そして唐突に理解した。
『すぐに戻るよエリ！』
『あなたはここに残って。』
あなたに背を向けてばかりだった。
「ごめんね…＿＿」
それを、いつもどんな気持ちで見送ってたんだろう。
エ「おねえちゃんがいないと…やだよ…。」
じわりと涙がにじんだ。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
