45.わたしのおねえちゃんは ページ46
わたしのおねえちゃんはとても強いひと。
『エリ、行ってくるね！』
いつもの時間になっておねえちゃんは連れていかれる。それでもいつも笑顔で、わたしが不安そうにしてたら"すぐ戻るよ"って。
あんなに痛いのに、あんなにこわいのに、あんなにつらいのに。
わたしが耐えられなくなって泣いちゃうときも
『…』
エ『もういや…！どうしてこんなことするの……おねえちゃんが傷つくのもみたくないよ…！』
＿＿こわい
＿＿いたい
＿＿つらい
ぼろぼろ涙があふれだしておねえちゃんの服がぬれてく。おねえちゃんはただわたしをひざの上にのせて頭を撫でる。
『大丈夫、大丈夫。』
とっても暖かい手がいつもわたしをたすけてくれる。こわいときも、つらいときも、かならず手を握ってくれる。
そばにいて抱きしめてくれる。
『ねぇエリ、みて。』
エ『…？』
ちょっとしたらおちついてきて、涙をぬぐってかおをあげた。
『…へんがお。』
エ『…』
おねえちゃんは
エ『っふ、ふふふ…』
『んべー！』
おもしろくて、笑顔にしてくれる。
『ふふふ、エリもいつまでも泣いてるとわたしが変顔にしちゃうぞー？えいっ！』
エ『わわ…！やだー！』
『あはは、やだっていってもやめませーん！』
おねえちゃんが大好き。
わたしもなにかできたら、いいのに。
＿＿
＿＿＿
『エリ。』
でも、たまに。
エ『？』
"痛い時間"から帰ってきてもいつも笑顔なのに、すごく疲れた顔をしてるときがあった。
『…＿＿』
わたしを静かに抱き寄せるの。
エ『おねえ、ちゃん…？』
話しかけても全然こたえてくれなくて、いつもの元気さは全くない。だからそんなときは
エ『おねーちゃん！』
『！』
今だっ！
エ『べ、べぇ〜…！』
ほおをいっぱい横にひっぱって舌をだす。………ちらっと目をあけた。
『…』
エ『な、なんで笑わないの…！？』
おねえちゃんがやったときはすごく面白かったのに…！ぼーっとこっちを見つめてるだけ。
『っふ…、あははは！』
でもちょっとしたら声を出して笑ってくれた。
エ『やったあ！わらった！』
両手をばんざい。
『＿＿エリ……ありがとう。』
なんでかわかんない。けど、わたしが笑って喜ぶと決まって
＿＿心から、ひどく救われたようなかおをする。
目元にシワが寄って、泣きそうな。
…そんなかおをするんだよ。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
