Without You… 【浦原喜助】

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首筋がピリピリする。

この人は苦手だ。


藍「おや……こんな廊下で、何を話していたのかな?」


眼鏡の奥から微笑む目。


貴「いえ、あの……」

乱「今日はいい天気だな、と。餡蜜でも食べに行かないか話してたんですよ。隊長もどうです?」


乱菊さん!?

意味ありげに視線が合わせられる。

ウインクはしないものの、しっかりした目で何かを伝えてくれた様に見えた。



庇ってくれてるんだ。



阿近も、乱菊さんと同じ目で返してくれる。


足の力が抜けそうになった。



藍「いや、僕は遠慮するよ。また今度、誘ってくれるかな」


苦笑して、やんわりと断った。
そして藍染隊長の矛先は、私の手に向かう。


藍「……東雲くん、君は煙管でもやっていたのかい?」

貴「はぁ。どういう…」


大きな、固い手が触れた…と思うと、私の手からライターを奪った。



貴「あ……ッ!!それは……!!」

藍「珍しい物を持っているんだね」


面白そうに、手の中でひっくり返したりして……

もて遊んでいるかのように。


藍「これ、貸してもらってもいいかな?」


駄目です、なんて言えるか。
隊長の霊圧がほんの少しだけ上がる。

重圧される……!!




藍「ありがとう。無理言って、すまないね」



嬉しそうに、懐に収めた。


松「…さ、あたしもそろそろ戻らなきゃ。うちの隊長、怒ると怖いのよね〜。
そう、A」


松「いつか、天秤に掛ける日が来るとするでしょ……?その時は…いいえ、なんでもないわ」


今はまだ、待っててあげる。


乱菊さんの口元が、そう動いた。

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ケーキ

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