第15夜 ページ16
*
やはり見張りはおらず、Aは苦労することなく建物の外へ出た
久々に感じた風は、けっして気持ちの良いものではなかった
南へ向かうにしても、人目につかないに越したことはないだろう。
人通りが少ない 細い路地へ入り、駆け出した
さて。1番の問題はこの壁である。50mという高さを誇る壁。巨人が来たということで、当然だが閉門している。
Aに徐々に壁が近付く中、彼女が考え出した結論は 至って単純なものだった。
__魔法を使って飛び越える。
魔力どうこうの問題はあるが、少しくらいならなんとかなるはずだ。
壁の真下にたどり着くと、飛び上がるために右足に力を込める。
一気に放つ時、その力の全てを親指に集まるよう力魔法をかけるとともに、己にかかる重力を軽減させる。
彼女の経験上、ファナリスの脚力は 魔法を効率よく使うのに適している。
壁の上が眼前まで迫ったが、
『うわっ』
越えることなく、身体は地に引き寄せられる
慌てて手を伸ばすと、その手だけは壁の上にかかった。
宙吊りの状態から 這い上がり、初めて壁の上に立つ
シガンシナ区の場所を改めて確認すると、壁からは降りずに そのまま走った。
丁度最南端に来たところで飛び降りる。着地する時だけ力魔法で衝撃を和らげる。
そして2回目、壁の上へ無事に辿り着いたはいいが。
既に巨人はウォールマリアまでをも打ち破っていた。
船で避難している人は何とかなるかもしれないが、街に取り残された人の道は、死のただ一つである。
...さて。何人助けられるか。
Aは ウォールマリア内の地面ではなく、屋根の上に降り立った。
そしてその場で座学の知識を引っ張り出す。
皮膚を斬れるのは今のところ特殊なブレードのみ。自分が持っている対人の武器は使い物にならない。
急所はうなじ。縦1m幅10cm。そして割と深く切り込まないといけない。
身体の構造としては内蔵は似ても似つかないが、健などはしっかりある。
戸惑う声も、悲鳴も、怒号も、全て巨人に飲み込まれていく。
...考えろ。どうすれば1人でも多くの命を救えるか。
...非情だなんて、今更か。
まだ被害が及んでいないところへ侵入しようとした巨人に詰め寄り、縦1m幅10cmの重力弾をつくり、うなじに向かって投げ飛ばした。
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練紅龍(プロフ) - らんまるさん» ひぃぃありがとうございます!嬉しくて動悸が...!コツコツでもなんでも頑張ってくっきゃないですね!(`ω´) (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - かまぼ子さん» ありがとうございます!キノコはそこらじゅうに生えてます。その一部の頭に生えていた分をとりました|彡サッ! (2019年6月17日 21時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
らんまる - こういうのを誰かやってくれると思ってました。想像以上に面白くて更新が楽しみで仕方ありません。ゆっくりまったりお待ちしておりますので、これからも頑張ってください!(*^^*) (2019年6月16日 22時) (レス) id: 1ad8a87860 (このIDを非表示/違反報告)
かまぼ子(プロフ) - ハンジとの絡みがかなりハマりました。きのこは頭に生えてる感じでしょうか?更新楽しみにしてます^o^ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 48e845b0f0 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 桔梗さん» とても嬉しいです!ぼちぼち更新ですが、励みになります。 (2018年10月16日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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