25.乾いた "好き" ページ27
目が覚める。
隣を見ると、エレンがもう起きていた。
いつもは必ず私が起こす役なのに。
窓からは夕日が差し込んでいる。
もう夕方だったのか。
夕日に照らされているせいか、悲しげに見える。
そっと上体を起こす。
エレンは、私が起きたことに気づき、ゆっくりとこちらを向いた。
数秒、見つめあう。
エレンの真っ直ぐな瞳に見つめられる。
そして、目をそらされたかと思いきや、すぐに両肩を掴まれる。
エレンは下を向いた。わざと私の表情を見ないようにしているのだろう。
「何も…何も、聞かないから。
でも、1つだけ。
俺のこと、好きか?」
「うん、好きよ。」
当たり前だろう。
だってあなたは私の彼氏なんだもの。
だって私はあなたの彼女なんだもの。
「疲れていたみたいなの。ごめんなさい。
ねぇ、顔を上げて?」
彼は、不安そうな顔を上げた。
私から、そっと、触れるだけのキス。
「……うん。
強要したみたくなって、ごめん。」
「そんなことないよ、大丈夫。
ねぇ、私のこと、好き?」
「もちろん。好きだ。」
「ありがとう。」
確かなものは
少しずつ、不確かなものになっていく
きっとそれでもこれだけは
ずっと信じていてもいいものだ。
そうあってほしい。
…でも、
いったいいつから、これが確かなものだ なんて思い込んでいたんだろう。
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sunny(プロフ) - ピンクさん» お読みくださりありがとうございます。私の力不足ですね、わかりにくくて本当に申し訳ありません。はっきりとはお伝えできませんが、兵長が夢主に似た兵士を命をかけて守ったことや、兵長の言葉と行動に矛盾があったりすること等から連想していただけると幸いです。 (2018年2月3日 20時) (レス) id: 24dfe7cde6 (このIDを非表示/違反報告)
ピンク - つまり兵長は主人公が好きだったのですか?私には少し難しかったです…すみません。m(_ _)m (2018年2月3日 15時) (レス) id: c94fb3766b (このIDを非表示/違反報告)
sunny(プロフ) - 詩羽乃♪さん» いつもお優しいコメントありがとうございます!最終話はすごく時間をかけて考えたのでそう言って頂けて感動です…ここまでお付き合い頂きありがとうございました!! (2017年7月29日 12時) (レス) id: 24dfe7cde6 (このIDを非表示/違反報告)
詩羽乃♪(プロフ) - 完結おめでとうございます!最終話の最後の文章が何かもう……。確かに綺麗な人はいなかったけど、それでもこんな風に終わらせられるなんて凄いです。お疲れ様でした! (2017年7月29日 10時) (レス) id: 6f1d4dc9c1 (このIDを非表示/違反報告)
琳空(プロフ) - 教えてくれてありがとう!!!早速調べてみる! (2017年7月10日 1時) (レス) id: 8e29d846ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sunny | 作成日時:2017年6月8日 23時