IV ページ4
あ「真ぉ・・・真ぉ・・・」
火「ん・・・・」
A先輩の泣いているような声で目が覚めた。
A先輩は血だらけになってぐったりしている花宮を抱きしめて泣いていた。
火「A先輩・・・・?」
あ「大我くん・・・だよね?・・・ケガは・・・して・・・ない?」
火「はい、なんとか大丈夫・・・です」
ガラスで頬を切った以外、特に目立つ大きなケガはしなかったみたいだ。
A先輩は涙を一生懸命に拭っていた。
俺はA先輩の涙が止まるのを黙ってみていることしかできない。
こんなバカな俺でも、花宮が、もう息を引き取ってしまっただろうと推測はできる。
涙を拭き終え、何かを決心した顔つきをし、俺にこう言った。
あ「真を・・・運んでほしいの」
火「え?」
あ「もうすぐこのバスも爆発しちゃう。だからその前に、みんなを安全な場所へ」
火「でも・・・花宮・・先輩はもう・・・」
自分はなんてこと言ったんだろう。言った後に無性に後悔した。
火「あっ、すいません・・・・」
あ「真は死んじゃったよ。でも綺麗な姿で、お葬式には出て欲しいから・・・」
A先輩は、また目尻に涙を溜めた。だが涙を拭いて真剣な表情で俺を睨んだ。
あ「誰も焼け死になんて汚い死に方させたくない。だからみんなを助けたいっ!!」
その真っ直ぐな瞳の先の決意は、きらきらと輝いていた。
俺もやらなきゃ!!
火「やってやるぜっ!!」
あ「うん!!」
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家族 - あれ、目から雨が (2022年12月21日 20時) (レス) @page35 id: 509fda5318 (このIDを非表示/違反報告)
皇 音那 - これ読むの何回目だろう.....三回目だ!!毎回泣く (2019年9月2日 0時) (レス) id: fa1660b029 (このIDを非表示/違反報告)
赤司征二は赤司征十郎を愛してます。 - ――愛してるよ、征二――
――愛してるよ、征十郎―― (2018年7月6日 3時) (携帯から) (レス) id: 0ce2b3c7a5 (このIDを非表示/違反報告)
赤司征二は赤司征十郎を愛してます。 - 最初に花宮が、そして笠松さん、緑間さん、今吉さん、桜井さん、青峰さん、最後に赤司征十郎。あなた達が生きていたこと、この世に存在したこと、僕は忘れない。絶対に。 ありがとう。 (2018年7月6日 3時) (携帯から) (レス) id: 0ce2b3c7a5 (このIDを非表示/違反報告)
鬼龍院由貴 - 最後めっちゃ泣きました!涙腺崩壊しちゃったかもしれないです… (2018年1月6日 4時) (レス) id: 490035b760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オズ★ | 作成日時:2013年11月16日 22時