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一通目 ページ3





君が死んで、1年が経った。

高校入試を無事に終え、志望校に入学して、友人を作り、部活動にも勉強にもそれなりに励んで、普通の高校生活を過ごす日々。


「泉!今日ゲーセン行こ!!」

「あぁー、今日はちょっと無理。」

「じゃあ明日は!?」

「おう、明日。」


毎日楽しそうに笑う友人。その姿をどこかAに重ねていることを、自分の中で気付かないふり。

ちょうど1年。決して短くは無かったけど、中身のない時間だった。

どうしても、君が居ればと思ってしまう。

君に取り憑かれて離れられないまま。時間だけが確実に進んでいって、いつの間にか取り残される。
最近よく、そんな夢を見る。

そのせいで寝不足で怠い体を動かして、坂を登って行く。
湯浅と彫られた墓石の裏側には、明らかに新しく A と彫られている。


手紙と、紫苑の花束を供える。
手を合わせて、久しぶり なんて語りかけてみても、返事は返ってこない。


「……A、手紙 読んでや。」


昨日思いついて、近況報告とか伝えたいことを全部詰め込んだ手紙。
長ったらしくなってしまって、人に見せれるようなものではないけど。

君に届けばいい。夢を見すぎかも知れないけど、そう思った。
これを書いている間は、君が近くに居るような気がしたから。



二通目→←届かないと知って



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作者名:天晴 | 作成日時:2017年12月27日 17時

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