Four Season〜2nd〜

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｢お前らはー！！いい加減にしろ！！次真顔崩したやつから罰金500円な！！｣

｢ヤメテクダサイ｡
笑ってはいけないと言われると､僕は笑いの沸点が急降下するんです……っ｣

｢くっ……！｣

｢はい上ノ山500円な！｣

｢くっ……！｣

｢春樹500円！｣

｢ちょ！今のは無しでしょ！｣


春樹の友人で､あの日のライブの主催者でもある矢岳(通称:タケちゃん)の喝に､厚意で見学させてもらっていたAは苦笑いで見守る｡
なかなかに難航しているようだ｡


｢笑うのはいいけど､にやけ禁止だっつってんだろ｡表情筋引き締めろ！
よしもう1回！せーの……｣


色々難航したものの､出来上がったアー写を見て､真冬達は｢おー……｣と声を漏らす｡

｢え｡何その微妙な反応｡駄目なの？気に入らないの？｣

｢あの……違うんです｡あまり感動してリアクション偏差値が……その……ちゃんとしたスタジオで撮ってもらったの初めてで……｣

｢この上ノ山君笑ってる｡1500円めのやつ｣

｢ちょ｡それ言うなよ｣


今までオフショットだったりセルフだったり､なんだかんだでちゃんと撮るのは全員初めてだったようで｡上ノ山はもう一度出来たアー写を見ながらもやがて顔を手で覆った｡


｢……恥ずかしい……！｣

｢えっ､今更？｣

｢やめろお前恥ずかしいとか！こっちはその……｡
それ言うのずっと我慢してたんだぞ！！｣

｢やめようよそういうのー！自分のドヤ顔恥ずかしい！傷つけあうのはもうよそう！｣


時間差で訪れた羞恥に耐え忍んでいると､真冬はずっと黙ったままのAにそっと声をかける｡


｢A？どうしたの？｣

｢か……｣

｢か？｣

｢かっっこいいねみんな！！いつもと雰囲気全然違う！！｣


わー！！と撮った自分達よりも嬉しそうなAを見て､春樹達は違った意味で顔を抑える｡


｢うん｡それにしよう……｡一生これでやってこう｣

｢なんかもう……いいや……｡こんな笑顔見れんなら……｣

｢……っすね｣

(みんなAちゃんに弱すぎだろ……)


と､言うことで､アー写完成｡



｢アー写って､アマチュアバンドもいるの？｣

｢ないと困る｡SNSやライブのフレイヤーなんかでも使うし｡何かしらずっと入り用だよ｣

｢ふーん｣

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