はむ・ハム・チェリー 3

101 K side 離れて 2 ページ32

自力で起きて
コッソリ出て行こうなんて
思ってたのよ？ 一応。


俺、出掛けんの 早いし。
何なら 夜明け前 だし。



でも、ま、
俺が目を覚ますレベルのアラームに
オマエが 反応しないハズが ねーわな。




体温が 近付いてくる 気配に。

閉じた瞼の下で
目ん玉が おろおろキョドる。


「･･･ じかん デスよー ･･･ 」


あー、ダメだわ。
寝たフリなんて できるワケないだろ。

《恥ずかしゲージ》が 振り切れそになって
慌てて 目を開けたら･･･

近すぎる 褐色。

と、唇に触れる おはよう の熱。


「んんっ//」

チュッて わざと音を立てて 俺から離れてく
悔しいくらい整った 褐色の顔。


クソっ！

寝たフリしてても 目覚ましても
どっちにしたって 恥ずかしいんじゃねーか。



「あんま 嬉しくないだろうけど？
顔洗ったら スムージー ね。」

俺の脇を持ち上げて ベッドに座らせると
自分だけ ベッドを降りて
スタスタと 寝室を出てく 太輔。

低血圧で 寝起きスグには 始動できねぇ俺に
朝のルーティンを 作ったのは アイツ。




俺を 引き上げて ベッドに座らせる。

チャチャっと顔を洗って
俺が うだうだしてる間に 朝メシを作る。


とにかく 何がなんでも 俺の腹に
食いモノを入れたがる。

腹に何も入れずに 寝癖まんまで出掛けるのは
アイツ的に ありえないらしい。

今朝は 移動中に 朝メシを 食うだろうからって
お手製の スムージーなんだろ。





「ウチ 帰ったら さ、毎日 LINEするわ。」

「ん。」


目が覚めるよな 酸っぱさは･･･ パイン か。
太いストローを ちうちうしながら 頷く。


「あ、昼間でも。移動とか 休憩中とか さ、
ヒマだったら 何か送るわ。」

「ん。」


「ほら、リハの様子とか 気になるでしょ？
別に 忙しかったら 返事とか いらないし。」

「･･･ ん。」


「ちゃんと 朝ご飯、食べなよ？
水は 買ったヤツね。お腹 こわすから。
で、もし、熱とか 具合悪くなっちゃったら
無理したり 隠したりしないで 田所さんに･･」


ずびずびっと 最後の酸味を 吸い上げて
胃に流し込んでから ようやく口を開く。



「いっちょ、頑張ってきますわ。

帰ったら リハの遅れ 取り戻さねーとな。
皆んなの 足引っ張ってる場合じゃねぇし？

ま、心配してねーけど？
オマエが･･･太輔が 毎日 報告してくれんだろ？
リハの 進行。

スマホ･･･便所にも 風呂にも 持ってくから。」



背骨が折れそな ハグのあと
太輔んちの玄関を


出た。

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