重圧 ページ39
「俺は・・・・」
ずず・・・とお茶をすすって、沖田さんは目だけ俺に向ける。
「あの子を殺してしまいそうで・・・怖いんです」
息ができなくなりそうだ。
知らない間に自分の心の中に飼っていた恐怖そのものの獣が、
暴れている。
俺は自分の・・・人斬りの衝動を知ってしまったのだ。
「・・・綱道の娘だから、とか・・そういうのじゃなくて・・・・ただ・・・」
沖「綱道さんに大事に育てられてきたみたいに見えたから」
目の前が白くなっていく。
灯りに誘われて飛んできた蛾が、じりじりと燃えていった。
沖「みなし子の典型じゃない?」
にこにこと笑う彼の横顔は、俺に向けられることがない。
悔しさと悲しみがあふれて、今にも沖田さんの胸ぐらをつかみそうなくらいだった。
「・・・俺は・・っ」
言いかけて、のどが詰まる。
はは、と笑って沖田さんは言った。
沖「でも君はみなし子じゃない」
「っ!」
迷いなく、はっきりと言われたその言葉に驚いた。
ビックリしすぎて、何も言えなくなってしまう。
沖「じゃあね。・・・ごちそう様でした。おやすみ、A」
沖田さんはゆっくり立ち上がって、部屋を出て行った。
俺はしばらく呆けたように天井を見つめていた。
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付雲さくや - すみません…失礼します。 龍之助は『伊吹』ではなく、『井吹』です。 (2018年3月17日 21時) (レス) id: 3d0c4baa71 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます!うれしいです☆ (2013年11月8日 21時) (レス) id: babb1f1075 (このIDを非表示/違反報告)
ソラウ - すごく好きな主人公さんです♪続きがすごく読みたくなります! (2013年11月8日 21時) (レス) id: cc1ae89777 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります♪ (2013年10月20日 18時) (レス) id: 512126c44c (このIDを非表示/違反報告)
千花羅(プロフ) - 面白かったです♪続き楽しみです^ ^ (2013年10月20日 14時) (レス) id: 7bfc1ac2a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:心音桜花 | 作成日時:2013年10月5日 21時