暗い夜 ページ18
ギシ・・・ギシ・・・・
誰かが来る音がする。
誰？
沖田さん？
どんどん近づいてくるその音は、足を引きずるような音もして気味が悪い。
これは沖田さんじゃない。絶対。
？「・・・だれか・・いるんだな・・・」
どこか酔った声色でソレは言った。
俺の部屋の障子戸に月明かりで映った影が止まった。
「誰だ。」
できるだけ低い声で言った。
？「ヒヒ・・・ヒヒヒヒヒ・・・」
ああ、またか。いや・・・・でも・・・・
ちゃんと管理してるんだろ？
新見さんと・・・綱道が。
迷いの様な疑いの心が俺を鈍くしていた。
刀に手を伸ばそうとしたとき。
スパンと戸が開いた。
あっと思った時はもう遅く、俺に襲いかかる羅刹の影が目の前にあった。
月に照らされ黒を濃くしたソレは、父を殺した侍に重なった。
「・・・・・！！！！」
首に何かが刺さるような痛みと、生暖かい感触に全身の血の気が引くのを感じた。
「ぁ・・・・」
助けを呼ぼうにも声が出ない。
ポタリと血のしずくが畳に落ちた。
沖田side
嫌な予感がする。
実験中の羅刹が先ほど逃げ出したらしい。
新見さんに幹部が招集されている。
屯所内には理性を保ったままの羅刹がいる可能性が高く、何をするかわからない状態。
外に逃げたところを誰も見ていないがそっちの可能性が高いだろう。
沖「羅刹はどっちに行ったんですかー？」
土「そうだ新見さん。それがわからなきゃ予想のしようがねえ。」
新「屯所で最後に見たときはあっちに行ったが・・・・」
新見さんは右を指差した。
僕の部屋がある方向。
でも来るときは見なかったから、きっと大丈夫だろう。
そう思ってみても、いまいちすっきりしない。
ただでさえ、あの子が寝てるのに。
不安だ。
沖「じゃあ僕、そっちを見てきますね。」
僕が行こうとすると、土方さんが言った。
土「でも来たときは見なかったんだろ・・・？」
そうやっていかないほうが、合理的かもしれないけれど。
沖「念のためですよ念のため。嫌だなあ土方さん。いつも手を抜くなって言ってるのは
土方さんじゃないですか。」
僕は変に意地を張った。
土「ああそうだった。悪かったな。んじゃあさっさと行って来い。」
沖「はいはい。」
土方さんはわざとらしく言って、僕をせかす。
月の妙な明るさでさえ、僕をせかしていると感じてしまう。
本当に何事もなく、あの子の寝息が聞こえている廊下があることを祈った。
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付雲さくや - すみません…失礼します。 龍之助は『伊吹』ではなく、『井吹』です。 (2018年3月17日 21時) (
レス) id: 3d0c4baa71 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます！うれしいです☆ (2013年11月8日 21時) (レス) id: babb1f1075 (このIDを非表示/違反報告)
ソラウ - すごく好きな主人公さんです♪続きがすごく読みたくなります！ (2013年11月8日 21時) (レス) id: cc1ae89777 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます！頑張ります♪ (2013年10月20日 18時) (レス) id: 512126c44c (このIDを非表示/違反報告)
千花羅(プロフ) - 面白かったです♪続き楽しみです^ ^ (2013年10月20日 14時) (レス) id: 7bfc1ac2a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：心音桜花 | 作成日時：2013年10月5日 21時
