検索窓
今日:15 hit、昨日:26 hit、合計:133,819 hit

芹沢 鴨 ページ16

「あー、腫れてらー」

日向ぼっこをしつつぼやいた。
ボコッとした感触は変わらない。
顔の腫れがひかないので、今日の巡察は休めと言われた。

こんな顔じゃなかったらなー・・・
でも腫れたこの大福顔を隊士たちに見られたら笑いもんだよな・・・

町人にも隊士たちににも笑われる自分の様子が目に浮かぶ。

自分で想像してヘコんだ。

稽古やらなんやらで賑やかな屯所は、歩くだけでも
暇潰しになるだろうか。


よし、屯所を探索することにしよう。








隊士の稽古の掛け声に、木刀のぶつかるおとが重なって
道場の近くは騒がしい。

休憩する隊士に見られないよう慎重に廊下を歩いた。

すると、廊下の床がミシリ、ときしんだ。

誰か来たのかと思い前へ目を向けた。

そこにいたのは芹沢さんだった。
先だってのこともあり、体が固くなるのを感じた。

芹「・・・よい面ではないか。そうしていれば、田舎侍も
凄みが増すというものよ。」

「おかげさまで。」

芹沢さんは謝る気は毛ほどもないらしい。
見下した態度にカチンと来て、俺は愛想笑いもせずに言った。

後はなにも言わずに芹沢さんは去っていった。
嫌な奴なのに、威厳が有るところが腹立たしい。


屯所を歩いても、良いことがなさそうだ。
俺は、大人しく部屋に戻って一番隊が巡察から戻るのを待つことにした。


ここに来てまだ日は浅い。でも、俺にとって壬生浪士組は
大切な居場所になっていた。

朝稽古で沖田さんに叩きのめされるのも、
幹部の人たちとする会話も、日常に変わっていた。

綱道には会わせてもらっていない。でも、良いんだ。

それなりに楽しいんだ。


何となく過ごしてきた日々は、思い出せば笑みがこぼれるほど優しくて。

早く腫れがひくことを切に願う。




ああ、沖田さんがそろそろ帰ってくる。




あの人のために刀を振るっても良いだろうか。
それくらいは許してもらえるだろうか。


それならあの人のために俺は命を懸けよう。




たとえ綺麗に死ぬことが出来なくても。

穏やかに過ごせなくても。


それでも良い。

壬生浪士組への恩返しが、それでできるのなら
俺は・・・


命尽きるその時まで全力でいられる。
骨が粉になろうと、ただの肉片になろうと

戦い続けられる。

きっと

笑っていられる。

猫日和→←大福


ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (149 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
164人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 , 壬生浪士組 , 新選組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

付雲さくや - すみません…失礼します。 龍之助は『伊吹』ではなく、『井吹』です。 (2018年3月17日 21時) (レス) id: 3d0c4baa71 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます!うれしいです☆ (2013年11月8日 21時) (レス) id: babb1f1075 (このIDを非表示/違反報告)
ソラウ - すごく好きな主人公さんです♪続きがすごく読みたくなります! (2013年11月8日 21時) (レス) id: cc1ae89777 (このIDを非表示/違反報告)
心音桜花(プロフ) - ありがとうございます!頑張ります♪ (2013年10月20日 18時) (レス) id: 512126c44c (このIDを非表示/違反報告)
千花羅(プロフ) - 面白かったです♪続き楽しみです^ ^ (2013年10月20日 14時) (レス) id: 7bfc1ac2a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:心音桜花 | 作成日時:2013年10月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。