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「あ、なるほどね!それ面白そ〜っ!」
「楽しそうじゃん!乗ったぜ!」
「ありがとうございます!」
弾んだ三人の話し声に嫌な予感がした。一歩後ずさる、が、いつの間にか隣に来ていた友人の手によって肩から引き戻される。
ロボットのようにぎこちなく首だけで振り返れば、そこにはいつになく楽しそうな笑顔を浮かべた友人がいた。
「え、ちょっと、」
「A、私芥川君と向日君と三人でデートしてくるからっ!……宍戸君と、楽しんでおいで」
最後の言葉は、耳元で小さく囁かれた。一瞬意味がわからず思考停止する。宍戸君、楽しむ、デート……?
「それじゃ行こうぜっ!」
「E気分〜!」
「いえーい!」
その間に三人は凄い勢いで人混みの中に潜り込んでいった。妙に波長が合っているところがまた厄介だった。
「……何なんだアイツら……」
気がつけば宍戸君が近くに居た。それだけで心臓が爆発しそうだ。人の波に消えていった三人のことが頭から抜け落ちそうなくらい、私はパニックになっていた。
彼がこちらに振り向いた。かち合う視線。──ああ、好きなんだと感じる。
そしてより鼓動が速まっていく。零れ落ちそうな勇気をそっと拳で握りしめた。
「し、宍戸君っ……!」
震える声を振り絞った。
「……一緒に、回りませんか!」
勇気を出した。声を振り絞った。……あとは、彼を真っ直ぐ見つめるだけ。
驚いたような顔をした彼が、とても遠くにある景色に感じた。目眩がしそうだ。もし断られたら、と嫌な考えが期待に絡みつく。けれど、絶対に目を背けない。背けてはいけない。
「いいぜ、回るか」
「……!う、うん!」
思わず声を張ってしまった。大袈裟に喜びすぎただろうか。変に思われていないだろうか。……色々な不安が浮かんだが、何よりもOKを貰えたことが嬉しすぎて全てが吹き飛んだ。
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紫梦(プロフ) - メロンさん» 作業用に仁王君の曲探してたら見つけました。とても良い曲でした!笑 ほんとにリクエストに沿えてるか不安でしたが、そう言って頂けて嬉しいです。リクエストありがとうございました!よろしければまたリクエストお願いします。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - Fake聞きながら、描いたんですね笑。可愛かったです!リクエストありがとうございました!また、機会があればよろしく御願いします! (2018年8月31日 22時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 了解です!できるだけご期待に添えられるように頑張ります。少々お時間頂くかもしれません…! (2018年8月26日 8時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
メロン - 紫梦さん» では、お言葉に甘えて…。初で奥手な仁王くんがみてみたいです~(^w^) (2018年8月26日 2時) (レス) id: fd95f0d8fd (このIDを非表示/違反報告)
紫梦(プロフ) - メロンさん» 世界観だなんてそんな…!私には勿体ないくらいの褒め言葉です…ありがとうございます!仁王くんですね、了解致しました!なにか設定やシチュなどのリクエストあればお願いします〜前の仁王君と被るといけないので! (2018年8月25日 21時) (レス) id: 231b2007bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫梦 | 作成日時:2018年7月31日 21時