5人の怪盗と生きる宝石 第3幕

mission116 ページ37

youside






瀬名｢それでぇ？俺達はなんでここに呼び出されてるわけぇ？今、朝の4時なんだけど。｣



眠気で不機嫌そうな泉さんがレオさんを睨みつける。その睨みは眠気とイライラで目がガンギマリになっており、いつもよりも迫力が凄い。


レオさんは零さんの隠れ家の中にあるいちばん大きな部屋にKnightsのメンバーと私、それから凛月君を呼び出した。


瀬名｢しかも俺らの事裏切ったくまくんもいるし？なんなの？戻って寝ていい!?｣


月永｢おー、怖。まあ、落ち着けよセナー！まだ話始まってすらいないって！｣


珍しくレオさんが泉さんを止める側に回っている。そんな光景を見て眠そうだった司くんもぱちくりと目を瞬かせた。


朱桜｢leaderがleaderとしての責務を全うしているなんて…珍しい。｣


鳴上｢うーん、本当はあれが普通なんだけどね。今の状態だと普段まとめてる2人がまとめてくれるような雰囲気じゃないでしょう？｣


そう言ってなるちゃんは横目でチラリとキレ散らかしている泉さんと未だに一言も発さない凛月君を見た。



瀬名｢だいたいねぇ！1回裏切ったヤツを信用出来るわけないでしょお!?また裏切るんじゃないの!?今回はたまたま良かったものの、またAに危険が及んだらどうするわけぇ！？｣


月永｢それは…そうだけど…｣



瀬名｢てか、あんたの事で話し合ってんだからなんか言ってよねくまくん！｣


泉さんがそう言うとみんなの視線が一斉に凛月君の方へと向いた。

凛月君はチラリと私を見たあと、口を開く。


凛月｢…許してくれだなんて言わない。俺がAを危険な目に合わせたのも事実だし、皆を裏切ったのも事実だから。｣



凛月｢俺がやったことなんて許されるはずがない。でも、それでも俺は皆を傷つけたから…だから…謝りたい。今回の件は本当にごめんなさい。｣


凛月君は私たちに対して深く頭を下げた。そのまま長い時間沈黙が訪れたが、その沈黙を破ったのは泉さんだった。


瀬名｢…謝ったって、なんとかなるわけじゃないでしょ。俺達を裏切った事は変わらないんだから。｣


凛月｢うん。｣


瀬名｢でも…くまくんが沢山のことを抱えてたことも知ってる。大変だった事も。だから、顔あげなよねぇ。｣


凛月｢…｣


泉さんに言われて凛月君はやっと顔をあげた。


瀬名｢これからは裏切るだなんて許さないんだからね!?今回はあんたが正式にKnightsのメンバーじゃないっていう理由での特例なんだから！｣


凛月｢え…？｣




·

mission117→←mission115

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す