5人の怪盗と生きる宝石 第3幕

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そもそも五奇人というのは元々は魔術すら使えない皇帝に仕えているただの人間だった。


1000年前の皇帝に仕える側近の騎士であった者、皇帝が可愛がっていた研究家など職業は様々であったが皇帝と近しかった人間5人は天祥院家が起こしたクーデターで敗北した際、とある呪いと縛りをかけられた。


不死と魔術の呪いだ。


皇帝が敗北したなら側近たちも共に死ぬのが定石であったというのに死ぬ事が出来ないというのは彼らにとっての屈辱でしか無かった。



そして、無力が原因で敗北したというのに全てが終わったあとに力を与えられる。



2つの大きな屈辱を背負わされた彼等は何度も自ら命を絶とうとした。…だが、不死の体ではそんなことできるはずもなく、彼らは絶望した。



そして、彼等は彼等に与えられた力と共存せざるを得なくなった。



朔間零は"悠久"の力。
時間に関する魔術を使うことが出来る。本来は悠久の力を使うと寿命を削られる。そのため朔間零だけは不死ではないがその代わり何度死んでも朔間零として生まれ変わる。


斎宮宗は"魂"の力。
物やヒトに宿る魂を抜いたり、または魂を込めたりすることが出来る。この力を持つことで人間には死の帝王と呼ばれ恐れられ長い間孤独な時を過ごさざるを得なくなる。


深海奏汰は"慈愛"の力。
ヒトの心を読んだり、動物や魚や植物と意思疎通することが出来る。だが、人の形をした異色な存在として1人でとある湖へと拘束されることになる。


逆先夏目は"元素"の力。
火、水、風、土の4元素を自由自在に使うことが出来る。だが、力を使いすぎると自らの力を使った負荷により心臓が燃え、死ぬ事も出来ずに苦しみが続く。


日々樹渉は"祝福と呪い"の力。
人間や動物に祝福や呪いをかけることが出来る。だが、その祝福の力は現皇帝の天祥院一族に見初められ、天祥院一族に仕えていかなければならない。








実は皇帝には公にされていない隠し子がいた。

その隠し子を末代まで守り続けること。それが響木一族最後の皇帝であり、一族でも珍しい女皇帝"響木青藍"が最後に五奇人達に託した願いである。





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