mission44 ページ5
youside
鳴上｢アナタは、司ちゃんの過去をどれくらい聞いたのかしら？｣
司くんの部屋を出た後、なるちゃんに呼ばれてリビングまで戻ると、そんなことを聞かれた。
A｢私が聞いたのは…｣
しばらく、私は司くんから聞いた過去をそのままなるちゃんに教えた。
すると、なるちゃんは優雅に椅子に座りこう言った。
鳴上｢大体の過去の流れは聞いたのね。｣
A｢ま、まぁ…。｣
鳴上｢…司ちゃんは本当にAちゃんの事を信頼してるのね♪｣
A｢え？｣
鳴上｢普通は、出会って2日も経ってない人に自分の過去を打ち明けようとしないわよ？アタシ達と会ったばっかりの時もあんなにフレンドリーじゃ無かったし。多分、Aちゃんの優しい性格が司ちゃんを安心させるんじゃないかしら？｣
まぁ、確かに、なるちゃんの言う事は理解出来る。
私も薄々、司くんが心を開いてくれてる事は肌で感じていた。
(そっか…まだ出会って2日も経ってないんだ…)
今まで屋敷に閉じ込められていたからか、こんなに濃い体験をしたことがないからか、Knightsと共に過ごす時間は私にとってはかけがえのないものになっていた。
鳴上｢ねぇ、Aちゃん？アタシはね、司ちゃんには怪盗Knightsでいて欲しいの。｣
A｢え…｣
少し、その言い方に違和感を感じた。
だって…司くんがKnightsから抜けようとしているのを知っているみたいな口振りだったから。
鳴上｢でもね、司ちゃんは多分、アタシや凛月ちゃん達が説得してもダメなのよ。｣
(やっぱり…なるちゃんは知っている？司くんが…Knightsから抜けようとしていること…)
A｢あの、なるちゃ…！｣
司くんがKnightsから抜けようとしているのを知っているのか。そう問おうとしたらなるちゃんの人差し指が私の唇に触れた。
まるで、何も言わないでと言っているように。
鳴上｢司ちゃんを変えれるのは、多分Aちゃんだけなのよ。…出会ったばかりなのにこんな事に首を突っ込ませちゃって申し訳ないけど…お願い、Aちゃん？司ちゃんを救ってちょうだい。｣
なるちゃんの目は真剣だった。
だからお願いを叶えたくなった。
"アナタがもし屋敷から出ることがあれば人の願いを叶える存在となるのです…！"
そうだ。彼もそう言っていた。
だから…
A｢わかった。私に任せて。｣
私が司くんをKnightsから辞めさせないよ。
司くんの居場所はKnightsだと思うから。
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作者名：リューゲ | 作成日時：2022年8月1日 20時
