5人の怪盗と生きる宝石第2幕 (ページ23)

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mission62 ページ23

姫宮桃李side

伏見｢坊っちゃま、あの方に本当にモルガナイトを渡して良かったのですか？｣

あの方…司のことか。

姫宮｢はぁ、何度も言ってるじゃん。別にあげたわけじゃないって。預けただけだから。｣

伏見｢しかし…皇帝陛下に報告すらしないとは…｣

姫宮｢…まぁ、確かに、英智様に言うべきだったのかもしれないけど？英智様に怪盗Knightsの顔を見たって報告する事で英智様と会う口実作れたかもしれないけど？｣

伏見｢でしたら…｣

姫宮｢でも！それとこれとは話が違うの！言葉では言い表せないけど！ボクは英智様に今回の事を報告するつもりはないから！｣

それに。これはボクなりの罪滅ぼしだよ。

ボクは司の両親が亡くなって傷心している司に何も出来なかったから。

ずっと友達って言ったくせにね。

あの日、司がカフェに女の人といるのを見て、元気にしているのを見れて嬉しかった反面、自分とはもう住む世界が違うと感じて複雑でもあった。

(なーんてね。)

そんなこと嘆いてたって司はボクの事忘れてなかったから。ボクにとってはそれだけで十分なんだけど。

伏見｢…｣

姫宮｢どうしたの？弓弦。｣

伏見｢司さまのあの蹴り…わたくしが攻撃を仕掛けようとしていたのをまるで読んでいたようでした。｣

姫宮｢たまたまじゃない？｣

伏見｢そうでしょうか？…それに、あの日姫崎邸に居たもう1人の怪盗Knightsの方…何処かで見たことがある様な…｣

姫宮｢ふーん、よく分からないけど。でも、怪盗Knightsって本当に凄いよねぇ。一体、誰がリーダーなんだろ？流石に司では無いだろうし…｣

伏見｢少なくとも只者ではないでしょう。司さまをあそこまで鍛え上げることができるとは…この国の中でもかなり限られた人物だと思われますが。｣

ボクは窓辺から満天の星が輝いている夜空を見上げて、口を開いた。

姫宮｢まあ、司が今はボクの知らない司だとしても、得体の知れない人達と一緒にいたとしても、どっちにしろボクの幼馴染で、友達であることには変わらない。だから気にしないよ。｣

そう言うと、弓弦は少しだけ目を見開いてボクの頭に軽く手を置いてこう言った。

伏見｢坊っちゃま…大人になりましたね。｣

姫宮｢…！ふ、ふん！なんの事だか！｣

(ボクの大切なモルガナイトを預けたんだからさ。
捕まったりしたら許さないんだからね、司？)

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