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 「今日は体調どうなん?」

 「また、来たの?今日はイイ感じだよ。」


 片手を上げて声をかければ、俺のマネして片手を上げた。

 とある病院のベンチ。カーディガン羽織って持っとった本にしおりを挟む。隣に座れば、病院独特の匂いが鼻をかすめる。


 「良かったやん。」

 「それにしても、志麻くん暇なの?結構来てくれるけど。」

 学校とバイトの時間縫って会いに来てる、なんて言うたら引かれるんじゃないか、なんて考えてしまって暇ちゃうわ、なんてでこぴんをお見舞いする。

 「いたーい。」

 「か弱い女の子みたいな反応するなや。」

 「か弱いですー。」

 「か弱い奴は木登りなんかしやんわ。」

 わざとらしくおでこを押さえて見てくるけど、第一印象が木登りしてるやつな時点でアウト。

 友達の見舞いで来た病院、時間つぶしに庭に行ったら木登りしてるAと会ったんは2週間くらい前。


 「だから、あれは、小さい子が木の上におもちゃ乗せちゃったから…。」

 「やからってAが上らんでもええやろ。危ないし、下りれんくなっとったやん。」

 助けてください、そんな言葉が木の上から聞こえてきた時はマジでビビった。木の上に、ましてや病院の敷地内、そんなとこに人がおるなんて思わんやん。

 「…その節はお世話になりました。」

 「はーい。」


 手を貸して、ゆっくりAを木から下ろしたのは多分一生忘れへん。

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(プロフ) - 雨さん» 読んでくださりコメントもありがとうございます。ぜひ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです◎ (2021年3月6日 12時) (レス) id: a03714d678 (このIDを非表示/違反報告)
- とても今更ですが完結おめでとうございます。一気に読ませていただきました。とても内容が好みです!他の作品も読ませていただきます! (2021年3月6日 8時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年2月24日 21時

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