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私と志麻くんで営業に行っていた会社と結構大きな契約が決まって、志麻くんに暇なら、と声をかけて2人で晩ご飯。
結構前から取引のために営業に行っててプレゼンの準備も残業しながら頑張ってたから選ばれて契約結べたのはほんとに嬉しかった。
大して、オシャレなお店って訳でもないけどご飯は美味しいし、お酒も美味しいから私のお気に入り。あと、個室が多いから少しくらいなら騒いでも大丈夫なところも気に入ってる。
「契約成立おめでとう!」
「「乾杯!」」
かつん、とグラスとグラスが当たる軽い音が鳴った。
「ほんとに志麻くんありがとね。」
「いやいや、俺はたいしてなんも。Aさんが頑張ってはったからです。」
そんなこと言って謙遜するけど、資料集めてくれたりどう見ればわかりやすいか教えてくれたり、私よりタイピング早いからって文字を打ち込んでくれたりしてくれて、予定よりもはやく完成させられたし、予定よりも分かりやすく見やすいパワポになったし。
「志麻くんがいなかったらあんなに分かりやすいパワポにできなかったよ。ありがとう。」
「…こちらこそ。」
はは、って笑う志麻くんが照れた顔を隠すようにお酒を呷る。…お酒強いって前に聞いたから大丈夫だと思うけど、一気飲みするみたいな飲み方はやっぱり心配しちゃう。
私のお気に入りの料理を志麻くんに勧めながら、お酒を飲んでいく。普段よりもハイペースにお酒を飲んでしまって、若干ふわふわした意識のまま、正面に座る志麻くんを眺める。
「…見すぎちゃいます?」
「そう?ごめんね…。志麻くんかっこいいからつい見ちゃうんだよね。」
「Aさんにそんなこと言われると照れますわ。」
「うそだぁ…言われなれてるでしょ。」
他の部署の同期とか後輩とか、とりあえず志麻くんのことを見た知り合いの異性に直属の後輩だって言えばみんなに羨ましがられるし、ズルいって言われたこともあるのに。
「そんなことないですって。」
手をひらひら振りながら否定してるけど、入社間もない時から既に何人かに告白されてるのだって噂でだけど知ってるんだからね。
彼女はいないのに、告白断ってるって余計に注目の的なことも。
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憧葛 - こんばんは、憧葛です!作品を読ませていただきました。いやもう本当にどれも神作ばかりで……素敵なお話をありがとうございました!これからも頑張ってください! (2021年12月7日 18時) (レス) @page38 id: e0ae3127c5 (このIDを非表示/違反報告)
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