検索窓
今日:29 hit、昨日:1 hit、合計:78,225 hit

197馬鹿 想い人を思う ページ47

「では問題です。"お父さんカエルはケロケロケロと鳴きます。お母さんカエルはケロケロと鳴きます。では、子供は何と鳴く?"」

「ん〜……」

「この問題は引っかけだからよ〜く考えてごらん」


膝に乗っている姫様をあやすようにユラユラと体を前後に揺らした。
すると姫さんはひらめいたのか私の方に顔を向けた。


「分かった!答えは"鳴かない"じゃな!カエルの子供はオタマジャクシじゃからじゃな」

「ピンポーン!だぁいせぇか〜い!」


正解したのを表す効果音を口で表すと姫さんはキャッキャと喜んだ。
あぁ可愛いなぁもう!


「じゃあ次じゃ次!」


すっかり気分の乗った姫さんは次をせがむ。
私はそんな姫さんをあやしながら問題を考える。
そろそろ私も眠気が限界に達してきたので次の問題で終わらせてやる。


「では問題です。"ある二人の男がおりました、一人は桃を二個、もう一人はぶどうを三個持っていました。そこに一人の女がやって来てどちらかの果物とこのイチゴを交換してもらえませんかと言いました。桃の人はその誘いを断りましたがぶどうの人は一個でなら交換しましょうと答えると女性は男の頬を殴ってその場を離れて行きました。桃だったら交換したのにという言葉を残した。さて女は何故そう言ったのか?"」

「う〜ん……」

「この問題は出て来た数字を口に出して言うと分かりやすいよ」


私がそう言うと姫様は素直に二個、三個、二個、三個と繰り返し呟いている。
姫さんの呟きに合わせて私も身体を前後に揺らしていると呟きはどんどん小さくなっていき最後には規則正しい寝息に変わった。


「ようやっと寝たか……フワァ〜……私も寝よう」


私は膝の上に乗っていた姫さんをゆっくり横たわられて一緒に眠りにつく。
そう言えば学園はどうなったんだろう。


左吉と伝七、あとあの女の子は無事に学園に戻れただろうか……
いや、あの子達は優秀な子達だから大丈夫だろう。
それより約束破っちゃったなぁ。
皆怒るだろうなぁ。


何一人で勝手な事したんだ!って怒られるんだろうなぁ。
怪我もしてるから善法寺の雷が落ちるんだろうな〜。普段怒らない奴が起こるとすごい怖いんだよな〜


……鉢屋に会いたい。
会って話がしたい。昔の人間にこんな思いを抱くのは間違ってると思うしもう話しかけないようにしようと思っていたのに……。
やっぱり、話がしたいと思ってしまう。


「鉢屋……」


私は今はいない相手の名前を小さく呟いて眠りについた。

198馬鹿 慣れないところで寝ると寝つきが悪い→←196馬鹿 なぞなぞ再び



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
50人がお気に入り
設定タグ:忍たま , rkrn
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» 人それぞれ自分が書きやすい書き方というのがあると思います。何より自分が楽しく書くのが一番だと私は思いますよ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 俺、てきとーに考えて、最後どのように終わるなんて考えないで書いてる。そして書いてる最中に思い出すと、それを書いてる…………‥…‥って読みにくいよね。俺、話や書き方?が自分でもよくわからなくなることがあるのだ。 (2016年5月18日 12時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» そうですね、この作品を書き始めた頃ぐらいですかね 私は書く前にどういう終わり方にするか考えてから書くようにしているんです (2016年5月18日 8時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)
MIZUKI(プロフ) - 結構前からってドのくらい前よ( ̄△ ̄;)俺は、頭に浮かんだら、それを書く。的な感じでやってるよ。 (2016年5月18日 8時) (レス) id: 92a53b009f (このIDを非表示/違反報告)
長月シキカ(プロフ) - MIZUKIさん» コメントありがとうございます この話は結構前から組み立てていたので早く書くことが出来ました。もう少し続きますのでどうぞ見ていってください (2016年5月17日 22時) (レス) id: 547ce2e1e2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長月シキカ | 作成日時:2016年5月3日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。