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「そう慌てるな、殺しはせん。だが、我は貴様に一番怒りが湧いているのだよ。松野一松よ」


己の足元でみっともなく倒れている一松を見下ろしながらアオは言葉を続ける。


「"死ね"、"殺すぞ"、"クソ松"……よくもまぁ実の兄にこのような酷い言葉が言えるものだな」

「っ……っるせぇ」

「自分で燃えないゴミなどとぬかす癖に、他人の愛情を選別する。まったく良い身分だな」

「クッ……」

「そう言えば、先程ヒエラルキー最下位がどうのこうの言っておったが……それならカラ松は我が貰い受けても良いのだな?」

「そ、れは……っ!」


アオの言葉に一松が半開きの目をかっぴらいて言いよどむ。
そんな一松を睨みつけながら、アオは口を開いた。


「言いたい事は山ほどあるが、こちらも暇ではないのでな……話を戻すが、勿論賭けに参加するよな? 愚か者共よ」


ニヤリと笑みを浮かべるアオに、五人はお互いに顔を見合わせると力強く頷いた。
アオはそんな彼らの答えを受け取ると、そうだと声をあげる。


「前科のある貴様らに、我からハンデをやろう」

「ハンデ?」

「そうだ、コレを見ろ」


そう言いアオが手のひらを上にしてかざすと、その手のひらの上にボーリングの玉ほどの大きさの黒い球体を出現させた。
急に現れたソレに、五人は首を傾げて見つめている。


「コレは、我がカラ松から抜き取った貴様らに対する不信感や嫌悪感などの負の感情と一部の記憶だ」

「コレが……っ!?」

「数日前までそっけなかった現実のカラ松の様子が前のように戻っているであろう? それは我がコレを抜き取ったからだ。兄弟に対する不信感もない状態なら賭けもやりやすいだろう」

「……おねーさんは、僕たちに、賭けに勝ちたいの?」


明らかに自分達に有利なハンデを付けてくれたアオに十四松がおずおずとそう聞くと、アオはソッと目を伏せしばらく間を開けるが、やがて口を開く。

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長月シキカ(プロフ) - 永久さん» はじめまして、作者の長月シキカです。コメントありがとうございます! 物語の最後の終わり方は中々に難産でしたので、永久様にそう言っていただけて本当に嬉しいです^ - ^ こちらこそ、最後まで閲覧してくださってありがとうございました♪ (7月28日 23時) (レス) id: f960b2a2a7 (このIDを非表示/違反報告)
永久(プロフ) - はじめまして! 永久です!今回この作品を読まして頂きました。とてもストーリーが出来ていて夢主さんのキャラもすっごく良かったです!最後の終わり方もとても心打たれるものでした!最高の作品を作ってくれてありがとうございます! (7月28日 21時) (レス) @page49 id: 41fe1dd09b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長月シキカ | 作成日時:2018年6月25日 23時

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